お急ぎの方へ
- 膀胱炎は通常は熱が出ず、排尿時の痛みに高い熱・寒気・背中の痛みが加わったら腎盂腎炎を考える
- 腎盂腎炎は女性に多く、男性の場合は、隠れた原因がないかも調べる
- 吐いて薬が飲めない、ぐったりしている、血圧が低いなどは入院や点滴が必要になることがあり、妊娠中は夜間でもまず産婦人科へ連絡
こんばんは。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。
熱が出ると、かぜやインフルエンザ、コロナを思い浮かべる方が多いと思います。でも実は、熱の原因はそれだけではありません。たとえば、
「熱と寒気があって、なぜか背中(腰)も痛い」
という方です。数日前から「おしっこのときにしみる」「トイレが近い」という症状がなかったか、思い返してみてください。
結論から申し上げると、排尿時の痛みのあとに高い熱・寒気・背中の痛みが出てきたら、腎盂腎炎(じんうじんえん)を考えます。腎盂腎炎は、尿の検査で見当をつけ、抗菌薬(こうきんやく:細菌を殺す薬)でしっかり治す病気です。
本記事では、膀胱炎(ぼうこうえん)と腎盂腎炎の違い、女性に多い理由、尿の検査で分かること、抗菌薬の飲み方、そして入院や点滴が必要になるサインを、ざっくり解説します。
その前に、日曜・祝日の発熱外来のご案内です。インフルエンザやコロナのPCR検査(ピーシーアール検査:ウイルスの遺伝子を増やして見つける検査)は、当日中に結果が分かります。
2026年10月4日から、日曜・祝日も発熱外来を行っています
10時〜15時(昼休みなし)。当日チェックインで受け付けます。PCR検査は当日中に結果をお伝えします。日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。診療日と休診日はカレンダーをご確認ください。日曜・祝日の発熱外来のお知らせ

【結論】「膀胱炎+高熱・寒気・背中の痛み」は腎盂腎炎のサイン
腎盂腎炎(じんうじんえん)は、腎臓(じんぞう)の中で尿が集まる部屋(腎盂)と、腎臓そのものに細菌が入りこんで起こる感染症です。多くは、膀胱炎の菌が尿の通り道をさかのぼって腎臓まで届くことで起こります[1]。
| 膀胱炎 | 腎盂腎炎 | |
|---|---|---|
| 場所 | 膀胱(尿をためる袋) | 腎臓(尿をつくる臓器) |
| 熱 | 通常は出ない | 熱が出る(寒気やふるえを伴うことも) |
| 主な症状 | 排尿時の痛み、トイレが近い、残尿感、尿のにごり | 左の症状に加えて、背中や腰の片側の痛み、だるさ、吐き気・嘔吐 |
| 重さ | 全身の症状は少ない | 細菌が血液に入りやすく、重くなることがある |
日本感染症学会・日本化学療法学会のガイドライン(学会がまとめた診療の手引き)でも、膀胱炎は「通常、発熱は伴わない」とされています[1]。つまり、膀胱炎のような症状に熱が加わったら、菌が膀胱より上、腎臓まで届いているかもしれない、ということです。
なお、先に膀胱炎の症状があったことに、ご本人が気づいていないことも多いと書かれています[1]。「排尿時の痛みはなかったけど、高熱と背中の痛みがある」というときも、腎盂腎炎は候補に入ります。
背中の痛みは、腰より少し上を軽くたたくと響く
腎臓は、おなかではなく背中側、腰より少し上にあります。いちばん下の肋骨と背骨が交わるあたりを、肋骨脊柱角(ろっこつせきちゅうかく)といいます。
腎盂腎炎では、この場所を握りこぶしで軽くトンとたたくと、ズーンと響くように痛むことがあります。これを叩打痛(こうだつう)といい、医師が診察でよく確かめるところです[1]。
ただし、背中や腰の痛みは、ぎっくり腰などの筋肉の痛みや、尿路結石(にょうろけっせき:尿の通り道にできる石)でも起こります。熱がある・排尿時の痛みがある、という組み合わせが見分けのヒントです。
院長蒲生背中の痛みに熱が重なっているかどうかが、見分けの大事なヒントです。
腎盂腎炎はなぜ女性に多い?
腎盂腎炎は、圧倒的に女性に多い病気です。ガイドラインでも、合併症(がっぺいしょう:尿の通り道の異常や持病など、治りにくくする要因)のない腎盂腎炎は「性的活動期の女性に好発する」とされています[1]。
米国・シアトルの医療組合の加入者を1997〜2001年に調べた研究では、腎盂腎炎は人口1万人あたり1年間で次のとおりでした[2]。
| 外来で治療 | 入院で治療 | |
|---|---|---|
| 女性 | 12〜13人 | 3〜4人 |
| 男性 | 2〜3人 | 1〜2人 |
いちばん多かったのは若い女性で、次いで赤ちゃんと高齢の方でした。原因の菌は、女性の80%、男性の70%が大腸菌(だいちょうきん)でした[2]。
女性に多い理由は、ざっくり言えば体のつくりです。
- 女性は尿道(にょうどう:膀胱から体の外へ尿が出る管)が短い
- 尿道の出口が、腸の菌がいる肛門(こうもん)に近い
- そのため、腸の菌が尿道から膀胱へ入りこみやすい(尿路感染症の多くは、腸にいる菌が下からのぼってくるものです[1])
ガイドラインでは、男性の腎盂腎炎はすべて「複雑性」、つまり前立腺や尿の通り道に何か原因がひそんでいる前提で扱うことになっています[1]。男性で熱と排尿時の痛みがあるときは、とくに早めに受診してください。



排尿時の痛みは、恥ずかしくて言い出しにくい症状かもしれません。熱や背中の痛みが加わったら、どうか我慢せずに教えてください。
腎盂腎炎の尿の検査で何が分かる?【尿検査・尿培養・血液検査・画像】
腎盂腎炎が疑われるときに行う主な検査は、次のとおりです[1]。
- 【尿検査】
尿に白血球(膿尿〈のうにょう〉)や細菌(細菌尿)が出ていないかを見ます。尿路感染症の見当をつける、いちばんの手がかりです - 【尿培養(にょうばいよう)】
尿の中の菌を育てて、菌の種類と、どの抗菌薬が効くか(薬剤感受性〈やくざいかんじゅせい〉)を調べます。結果が出るまでには日数がかかります - 【血液検査】
白血球やCRP(体の中の炎症の強さの目安)で、炎症の程度を見ます。重い場合は、血液の中に菌が入っていないか(血液培養)も調べます - 【画像検査】
必要に応じて、超音波(エコー)やCT(コンピューター断層撮影:体の断面を撮る検査)で、結石などで尿の流れがせき止められていないか、腎臓に膿(うみ)がたまっていないかを確かめます
ガイドラインでは、抗菌薬を始める前の尿検査・尿培養は「必須」とされています[1]。先に抗菌薬を飲んでしまうと、菌がうまく育たず、原因の菌や効く薬が分かりにくくなるからです。
高齢の方は、症状がはっきりしないことも
高齢の方の腎盂腎炎は、排尿時の痛みや背中の痛みを訴えず、「熱がある」「元気がない」だけのこともあります。福島県の病院で2015〜2018年に、感染症が疑われるのに、どこの感染か入院時にはっきりしなかった65歳以上の473人を調べた研究があります[3]。このうち61人が、最終的に腎盂腎炎と診断されました。この研究では、CTの所見が診断の助けになるとされています。
尿培養が大切な理由【日本でも効きにくい菌が増えている】
日本のガイドラインでも、抗菌薬が効きにくい大腸菌が少しずつ増えていると書かれています[1]。具体的には、キノロン系(よく使われる抗菌薬のグループの一つ)が効きにくい大腸菌と、ESBL産生菌(いーえすびーえるさんせいきん:多くの抗菌薬を分解してしまう酵素をつくる菌)です。
日本全国55施設で、2020年4月〜2021年9月に、合併症のない膀胱炎の方の尿から出た菌を調べた調査があります[4]。尿から出た大腸菌のうち、効きにくい菌の割合は次のとおりでした[4]。
- 閉経前の方:キノロン系が効きにくい大腸菌10.5%、ESBL産生の大腸菌6.8%[4]
- 閉経後の方:キノロン系が効きにくい大腸菌32.1%、ESBL産生の大腸菌15.4%[4]
この調査は膀胱炎の方が対象で、腎盂腎炎の方の数字ではありません。ただ、腎盂腎炎の原因菌は膀胱炎と同様です[1]。「最初の薬が効いているか」を尿培養の結果で確かめることが大切、というわけです。



最初の薬が効いているかを確かめるためにも、尿の検査はとても大切なんです。
腎盂腎炎の治療は抗菌薬【迷わず始め、出された分は飲み切る】
腎盂腎炎は細菌による感染症なので、治療の中心は抗菌薬です。必要なときは迷わず抗菌薬を始め、腎臓の炎症をしっかり抑えます。
日本のガイドラインでは、吐き気や脱水(だっすい:体の水分が足りない状態)がなく、血圧などに問題がなく、免疫が落ちる病気のない方は、飲み薬で外来治療ができるとされています[1]。その際、最初に1回だけ注射の抗菌薬を組み合わせることも勧められています。
熱が下がっても、出された分は最後まで飲む
抗菌薬が効いてくると、熱や背中の痛みは少しずつおさまってきます。ここで大事なのは、楽になっても自己判断でやめないことです。
日本のガイドラインでは、腎盂腎炎の抗菌薬は、薬の種類ごとに飲む日数が示されています[1]。日数は、薬の種類や体の状態に合わせて医師が決めます。
どの日数でも、決められた分を最後まで飲むことが前提です。途中でやめると、残った菌がぶり返すもとになります。



楽になってきたときこそ、出された分を最後まで。これがぶり返さないためのコツです。
- 出された抗菌薬は、熱が下がっても最後まで飲み切る
- 飲み忘れたときの対応は、薬局や医療機関でお聞きください
- 家に余っている抗菌薬や、家族の抗菌薬を自己判断で飲まない(効かない薬かもしれず、尿培養の結果も分かりにくくなります)
- 発疹(ほっしん)、ひどい下痢などが出たら、飲み続けてよいか、処方した医療機関に相談する
飲み始めて3日目ごろが「効いているか」の目安
日本のガイドラインでは、治療を始めて3日目を目安に効果を判定し、尿培養の結果が出たら、その菌に合った薬に切り替えるとされています[1]。米国の総説(そうせつ:これまでの研究をまとめて解説した論文)でも、多くの方は適切な治療で48〜72時間(2〜3日)のうちに良くなり、良くならないときは画像検査や培養のやり直しを考える、と書かれています[5]。
つまり、飲み始めて3日目ごろになっても熱が下がらない、または途中で背中の痛みが強くなるときは、薬を続けながら、処方を受けた医療機関を再受診してください。結石で尿の流れがせき止められていると、抗菌薬だけでは治りにくく、泌尿器科での処置が必要になることがあります[1][5]。米国の総説では、尿の通り道がせき止められている場合は、急いで尿の流れを通す処置を受けるべきとされています[5]。尿路結石がある方は、熱と背中の痛みが出たら、その日のうちに受診してください。
腎盂腎炎で入院や点滴が必要になるのはどんなとき?【ここは待たないで】
腎盂腎炎は、細菌が血液に入って全身に広がりやすい病気です[1]。その結果、敗血症(はいけつしょう:感染症に対する体の反応が制御できなくなり、命に関わる臓器の障害が起きる重い状態)になることもあります。
日本のガイドラインで「外来で治せる」とされる条件[1]を裏返すと、次のようなときは入院や点滴が必要になりえます。
- 吐いてしまい、飲み薬や水分がとれない
- ぐったりして動けない、意識がぼんやりしている、つじつまの合わないことを言う
- 血圧が下がっている(立ちくらみがひどい、顔色が悪い、手足が冷たい)
- 息が苦しい、呼吸が速い
- おしっこがほとんど出ない、半日以上出ていない(脱水のサイン)
- 糖尿病やがんなど、免疫が落ちる病気がある
このうち、意識がおかしい、息が苦しい、立てないほどぐったりして顔色が悪いときは、夜間でも迷わず119番か救急外来へ向かってください。救急車を呼ぶほどか判断がつかないときは、宮城県のおとな救急電話相談(#7119)に相談できます。吐いて薬が飲めないときは、その日のうちに点滴や入院ができる医療機関を受診してください(夜間なら救急外来へ)。高齢の方や、糖尿病などの持病がある方は、症状が軽く見えても、その日のうちに受診してください。妊娠中の方は、次の項のとおり、夜間でもまずかかりつけの産婦人科に連絡してください。



救急車を呼ぶほどか迷うときは、#7119で相談できることも覚えておいてください。
妊娠中の方は、とくに早めに
米国・カリフォルニア州南部の医療グループで、1993〜2010年に出産した546,092件の妊娠を調べた研究があります[6]。妊娠中に腎盂腎炎になったのは0.5%でしたが、腎盂腎炎になった方では次のような違いがありました[6]。
- 敗血症:1.9%(腎盂腎炎にならなかった方では0.03%)[6]
- 自然に起きた早産(そうざん:予定より早い出産):10.3%(同7.9%)[6]
米国の総説では、妊娠中の腎盂腎炎は重い合併症の危険が高いため、入院して点滴の抗菌薬で治療を始めるべきとされています[5]。
日本のガイドラインでは、妊娠中はキノロン系など使えない抗菌薬があります[1]。使える抗菌薬で、軽い場合は飲み薬、重い場合は点滴で治療する形が示されています[1]。一方、米国の総説では、妊娠中の腎盂腎炎は入院して点滴で治療を始めるよう勧めています[5]。入院するかどうかは、国や医療機関、症状の重さによって異なります。
妊娠中に熱と背中の痛み、排尿時の痛みが出たら、夜間でもまずかかりつけの産婦人科に連絡してください。
受診の目安【どこへ・いつ】
ここまでの内容を、受診先ごとにまとめます。
| こんなとき | どこへ・いつ |
|---|---|
| 意識がおかしい、息が苦しい、立てないほどぐったりして顔色が悪い | 夜間でも119番、または救急外来へ |
| 吐いて薬や水分がとれない | その日のうちに、点滴や入院ができる医療機関へ(夜間なら救急外来) |
| 妊娠中に熱・背中の痛み・排尿時の痛み | 夜間でもまず、かかりつけの産婦人科に連絡 |
| 熱と寒気に、背中・腰の痛みや排尿時の痛みがある(水分や薬はとれる) | その日のうちに受診(夜間なら翌朝早めに) |
| 熱はなく、排尿時の痛みやトイレが近いだけ | 早めに内科・泌尿器科などを受診 |
| 抗菌薬を飲み始めて3日目ごろになっても熱が下がらない | 処方を受けた医療機関を再受診 |
受診するときに伝えてほしいこと
- いつから熱が出たか、いちばん高かった体温
- 排尿時の痛み・トイレが近い・尿のにごりや血が混じるなど、尿の症状と、それが始まった日
- 背中や腰の痛みの場所(右か左か)
- 吐き気・嘔吐の有無と、水分や薬が飲めているか
- 妊娠中か、その可能性があるか
- 持病(糖尿病、尿路結石、前立腺の病気など)と、ふだん飲んでいる薬
- この数か月で飲んだ抗菌薬と、これまでに膀胱炎や腎盂腎炎になったことがあるか
尿をとるときのコツ
尿の検査では、出始めの尿は流してしまい、途中の尿をコップにとる「中間尿(ちゅうかんにょう)」が基本です。出始めの尿には、尿道の出口付近の菌がまじりやすいからです。検査の前は、できればトイレを少しがまんしておいていただくと、尿がとりやすくなります。



出始めの尿は流して、途中の尿をとる。これだけ覚えておけば大丈夫です。
当院の発熱外来の受け方【日曜祝日も】
仙台空港北クリニック(名取市美田園)の発熱外来は、事前問診と当日チェックインで受け付けています。当院は、発熱外来の受診をお断りしない方針です(症状によっては、より適した医療機関をご案内することがあります)。
| 曜日 | 時間 |
|---|---|
| 月・火・水・金・土 | 9:00〜12:00/14:00〜18:00 |
| 日曜・祝日(2026年10月4日から) | 10:00〜15:00(昼休みなし・発熱外来のみ) |
| 木曜 | 休診 |
日曜・祝日の診療日と休診日はカレンダーをご確認ください。日曜・祝日に行っているのは発熱外来だけで、一般外来と点滴はありません。くわしくは日曜・祝日の発熱外来のお知らせをご覧ください。
排尿時の痛みや背中の痛みがあるときは、事前問診やチェックインのときに、その症状も必ずお伝えください。必要な検査や、より適した医療機関は、診察のうえでご案内します。
なお、日曜・祝日は点滴ができません。吐いて薬が飲めない、ぐったりしているなど、点滴が必要になりそうなときは、点滴ができる医療機関を受診してください。
受診の流れ
受付は、発熱外来入口のQRコード(スマホのカメラで読み取る四角い模様)からの当日チェックインです。順番が近づいたら、SMS(ショートメッセージ:携帯電話番号あてのメッセージ)または電話でお呼びします。
- 来院前に事前問診を入力します(任意です。入口でチェックインするときに入力してもOKです)
- 発熱外来入口のQRコードを読み取り、「到着したのでチェックインする」を選んでチェックインします(必須)
- 平日は、チェックインが終わったらそのままお車の中でお待ちください
- 日曜・祝日は、チェックイン後に一般外来入口で保険証(マイナ保険証・資格確認書など)の確認をします。日曜・祝日は一般外来を行っていないので、ご遠慮なくお入りください。確認が済んだらお車などでお待ちください
- 順番が近づいたら、SMSまたはお電話でお呼び出しします。発熱外来入口のインターホンを押して、お名前をおっしゃってください
診察は原則チェックイン順ですが、症状の重さなどで前後することがあります。くわしくは発熱外来の事前問診・当日チェックインについてをご覧ください。


よくある質問(FAQ)
- 膀胱炎と腎盂腎炎は、どう違うのですか?
-
膀胱炎は膀胱だけの感染で、排尿時の痛みやトイレが近いなどの症状が中心です。通常、熱は出ません。腎盂腎炎は菌が腎臓まで届いた状態で、高い熱や寒気、背中や腰の片側の痛み、吐き気などが出ます。
- 熱が下がったら、抗菌薬はやめてもいいですか?
-
いいえ、出された分は最後まで飲み切ってください。熱が下がっても腎臓の中には菌が残っていることがあり、途中でやめるとぶり返すもとになります。発疹やひどい下痢など気になる症状が出たときは、処方した医療機関にご相談ください。
- 前にもらった抗菌薬が家に残っています。先に飲んでもいいですか?
-
自己判断で飲まないでください。今回の菌に効く薬とは限りませんし、先に飲むと尿培養で原因の菌が分かりにくくなります。まずは受診して、尿の検査を受けてから治療を始めるのが確実です。
- 男性でも腎盂腎炎になりますか?
-
はい、なります。女性よりは少ないですが、男性の腎盂腎炎は前立腺の病気や尿の通り道の異常などが隠れている前提で扱われます。熱と排尿時の痛みがあるときは、早めに受診してください。
- 日曜・祝日に、腎盂腎炎かもしれない症状で受診できますか?
-
はい。日曜・祝日も10時〜15時(昼休みなし)に発熱外来を行っています。診療日と休診日はカレンダーでご確認ください。入口で当日チェックインするだけでOKです。ただし日曜・祝日は点滴ができませんので、吐いて薬が飲めないなど点滴が必要そうなときは、点滴ができる医療機関を受診してください。
まとめ【熱と背中の痛みは、早めに尿の検査を】
- 膀胱炎は通常は熱が出ず、排尿時の痛みに高い熱・寒気・背中の痛みが加わったら腎盂腎炎を考える
- 腎盂腎炎は女性に多く、男性の場合は、隠れた原因がないかも調べる
- 抗菌薬の前に尿検査・尿培養をして、効く薬を確かめることが大切
- 抗菌薬は、必要なときは迷わず始め、出された分は飲み切り、余った薬は使わない
- 吐いて薬が飲めない、ぐったりしている、血圧が低いなどは入院や点滴が必要になることがあり、妊娠中は夜間でもまず産婦人科へ連絡
「ただの膀胱炎だと思っていたら、熱が出てきた」と感じたときが、受診のタイミングです。腎盂腎炎は、早めに見つけてしっかり治療すれば、多くの場合よくなる病気です。医療は私達におまかせください。
以上
免責事項
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。記載内容は公開時点の医学的知見に基づいていますが、お一人おひとりの状態によって適切な対応は異なります。症状にご不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
参考文献
- 日本感染症学会・日本化学療法学会 JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 尿路感染症・男性性器感染症ワーキンググループ(山本新吾ほか). JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015―尿路感染症・男性性器感染症―. 日本化学療法学会雑誌. 2016;64(1):1-30. https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/files/guideline/jaidjsc-kansenshochiryo_nyouro.pdf
- Czaja CA, Scholes D, Hooton TM, Stamm WE. Population-based epidemiologic analysis of acute pyelonephritis. Clin Infect Dis. 2007 Aug;45(3):273-80. doi:10.1086/519268 PMID: 17599303
- Yano T, Takada T, Fujiishi R, Fujii K, Honjo H, Miyajima M, et al. Usefulness of computed tomography in the diagnosis of acute pyelonephritis in older patients suspected of infection with unknown focus. Acta Radiol. 2022 Feb;63(2):268-277. doi:10.1177/0284185120988817 PMID: 33508952
- Wada K, Tsuboi I, Takahashi S, Yasuda M, Miyazaki J, Kobayashi K, et al. Third nationwide surveillance of bacterial pathogens in patients with acute uncomplicated cystitis conducted by the Japanese surveillance committee during 2020 and 2021: Antimicrobial susceptibility of Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, and Staphylococcus saprophyticus. J Infect Chemother. 2024 Apr;30(4):277-285. doi:10.1016/j.jiac.2024.01.011 PMID: 38242285
- Herness J, Buttolph A, Hammer NC. Acute Pyelonephritis in Adults: Rapid Evidence Review. Am Fam Physician. 2020 Aug;102(3):173-180. PMID: 32735433
- Wing DA, Fassett MJ, Getahun D. Acute pyelonephritis in pregnancy: an 18-year retrospective analysis. Am J Obstet Gynecol. 2014 Mar;210(3):219.e1-6. doi:10.1016/j.ajog.2013.10.006 PMID: 24100227
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日曜・祝日の発熱外来については日曜・祝日の発熱外来のお知らせ、来院のしかたは発熱外来の事前問診・当日チェックインについてをご覧ください。




