===========================================
PCRは【全例】【即日】結果報告
発熱患者さま【全員】【必ず】診察いたします
日曜・祝日も発熱外来【10時〜15時】
===========================================

【副鼻腔炎】鼻炎がこじれるとなる?アレルギー性鼻炎との関係と見分け方【CT】

鼻炎がこじれると 副鼻腔炎に

お急ぎの方へ

  • 鼻炎で粘膜が腫れると副鼻腔の出口がふさがり、副鼻腔炎へ進むことがある
  • かぜの最初の数日は、ほとんどの人の副鼻腔が腫れているが、多くは時間とともに引いていく
  • 目の周りの腫れ、見え方の変化、これまでにない強い頭痛は夜間・休日でも救急外来へ、意識がおかしい・けいれんは119番

こんにちは。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / アレルギー専門医・呼吸器専門医)です。

季節の変わり目の寒暖差で鼻水や鼻づまりが続く方が増えてきました。外来でも、アレルギー性鼻炎の方や、かぜをひいた後の方から、次のような相談を結構いただきます。

「鼻炎だと思って放っておいたら、黄色い鼻水と顔の重さが取れなくなった」

結論から申し上げると、鼻炎がこじれると、副鼻腔炎(ふくびくうえん)になることがあります。鼻の粘膜の腫れで副鼻腔の出口がふさがり、中に鼻水がたまって炎症が広がるのが、ざっくりした仕組みです[1][2]。

本記事では、鼻炎から副鼻腔炎になる仕組みと、細菌性の副鼻腔炎を考える目安を解説します。あわせて、アレルギー性鼻炎の治療が大事な理由と、画像検査でCT(シーティー:体の断面を細かく写す画像検査)が向く理由も整理します。

呼吸器専門医の立場から、ざっくりお話しします。なお、下の日曜・祝日のお知らせに出てくるPCR(ピーシーアール)は、ウイルスなどの遺伝子を増やして見つける検査のことです。

2026年10月4日から、日曜・祝日も発熱外来を行っています
10時〜15時(昼休みなし)。予約は不要で、当日チェックインで受け付けます。PCR検査は当日中に結果をお伝えします。日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。10月25日(日)は休診で、11月からは原則として毎週日曜日と祝日です。日曜・祝日の発熱外来のお知らせ

文責(この記事を書いた人)

蒲生 俊一(がもう しゅんいち)
仙台空港北クリニック 院長

地元、名取市立閖上小・中学校出身。東北大学医学部医学科を卒業後、仙台オープン病院、気仙沼市立病院、東北大学病院を経て、コロナ禍ただ中の2021年4月に仙台空港北クリニックを開院。「絶対に断らない発熱外来」をつらぬき通し、コロナ5類化までの2年間で2万名を優に超える発熱患者の診療にたずさわる。

所属学会・認定資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本アレルギー学会アレルギー専門医
日本抗加齢医学会専門医
医学博士(東北大学)

目次

鼻炎がこじれると副鼻腔炎になるのはなぜ?

鼻炎がこじれると副鼻腔炎になるのは、腫れた粘膜(ねんまく:鼻の内側をおおう、やわらかい膜)が副鼻腔の出口をふさぐためです。副鼻腔(ふくびくう)は、鼻の周りの骨にある4つの空洞です[3]。

頬の奥(上顎洞:じょうがくどう)、目と目の間(篩骨洞:しこつどう)、額の奥(前頭洞:ぜんとうどう)、さらにその奥(蝶形骨洞:ちょうけいこつどう)の4つです[3]。

副鼻腔は、自然口(しぜんこう)と呼ばれる狭い出入り口で鼻の中とつながっています[1]。ガイドライン(学会がまとめた診療の指針)も、狭い自然口とその周りの粘膜の腫れを、治療で手当てする場所として挙げています[1]。

鼻炎(びえん:鼻の粘膜の炎症)で粘膜が腫れると、この出口が狭くなります。すると、副鼻腔の中の換気と鼻水の排出が悪くなり、たまった鼻水の中で炎症が続きやすくなります[1]。

かぜの鼻炎でも、ほとんどの人の副鼻腔が腫れている

実は、ふつうのかぜでも副鼻腔まで腫れていることが分かっています。

米国のバージニア大学のチームが、かぜの症状が出て2〜4日の健康な大人31人(平均24歳)の鼻と副鼻腔を、CTで調べた研究があります[2]。CTはコンピューター断層撮影の略で、骨の中の空洞まで断面で細かく写せます。

副鼻腔の出口が集まる通り道(篩骨漏斗:しこつろうと)がふさがっていた人は77%でした[2]。頬の奥の上顎洞に異常があった人は87%、目と目の間の篩骨洞に異常があった人は65%でした[2]。

このうち14人に2週間後もう一度CTを撮ると、79%で異常が消えるか大きく改善していました[2]。かぜの最初の数日の「副鼻腔の腫れ」の多くは、鼻炎の延長で、時間とともに引いていくということです[1][2]。

問題は、腫れがなかなか引かず、たまった鼻水に細菌が増えて「細菌性の副鼻腔炎」に進んだときです。

院長蒲生

問題は、腫れがなかなか引かないときです。鼻の様子の変化に気をつけてみてください。

副鼻腔炎とはどんな病気?鼻炎との違い

副鼻腔炎とは、鼻の周りの副鼻腔の中に炎症が起きた状態で、昔は「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれました[3]。鼻炎は鼻の中の粘膜の炎症で、副鼻腔炎はその奥の空洞まで炎症が広がった状態です。

急性の副鼻腔炎の症状は、鼻づまり、ドロッとしたにおいのする鼻水、頬・鼻の周り・額の痛み、顔やまぶたの腫れ、発熱です[3]。日本鼻科学会のガイドラインは、急性副鼻腔炎を「発症から4週間以内の鼻と副鼻腔の感染症」としています[1]。

鼻炎副鼻腔炎
炎症の場所鼻の中の粘膜鼻の周りの骨にある空洞(副鼻腔)
鼻水さらさらの水っぽい鼻水が多い(アレルギー性鼻炎)ドロッとした黄色〜緑色の鼻水、のどに落ちる鼻水
痛み・重さ目立たないことが多い頬・額・目の奥の痛み、顔が重く押される感じ
そのほかくしゃみ、鼻のかゆみ(アレルギー性鼻炎)発熱、においが分かりにくい、上の奥歯の痛み

鼻水の性状だけで決まるわけではなく、経過と組み合わせて判断します。ガイドラインでも、発熱、顔の赤み、上の奥歯の痛みは、急性副鼻腔炎らしさの高い症状とされています[1]。

院長蒲生

上の奥歯の痛みが、実は副鼻腔炎の手がかりになることもあるんですよ。

かぜの鼻炎と細菌性の副鼻腔炎はどう見分ける?3つの目安

かぜの鼻炎と細菌性の副鼻腔炎は、「症状の経過」で見分けるのが基本です。日本鼻科学会のガイドラインは、ウイルス性の副鼻腔炎は、多くが10日以内によくなるとしています[1]。鼻づまりや顔の痛みがつらいときは、症状をやわらげる治療ができますので、ご相談ください。

そのうえで、膿性鼻汁が10日以上続く場合と、5〜7日後に悪化する場合は、細菌の二次感染による細菌性と診断する、としています。高熱と膿性鼻汁が同時に3〜4日続く場合も、細菌性が疑われるとされています(小児の記載)[1]。

  • 【10日以上】
    膿(うみ)のような黄色〜緑色の鼻水(膿性鼻汁:のうせいびじゅう)が10日以上続く
  • 【二峰性(にほうせい)】
    かぜが始まって5〜7日後に、熱や顔の痛み、鼻水がかえって悪くなる
  • 【高熱と膿性鼻汁】
    高い熱と、ドロッとした鼻水が同時に、少なくとも3〜4日続く

3つ目の「高い熱」は、ガイドラインのお子さんの重い症状の説明では39℃以上とされています[1]。

米国感染症学会(IDSA)のガイドラインも、ほぼ同じ3つの目安を使っています[4]。1つ目は症状が10日以上続く場合、2つ目は病気の始めから39℃以上の熱と、膿性の鼻水または顔の痛みが3〜4日続く場合です[4]。3つ目は、5〜6日続いたかぜが良くなりかけた後に、熱・頭痛・鼻水がまた悪くなる場合です[4]。これは米国の基準で、国や医療機関によって方針が異なります。

3つのどれかにあてはまれば、「鼻炎が長引いているだけ」と考えず、早めに診療時間内に受診してください。お子さんは顔の痛みを言葉にできないので、不機嫌と湿ったせきも目安になります[1]。

院長蒲生

「鼻炎だからいつものこと」と我慢している方が本当に多いです。黄色い鼻水と顔の重さが続くのは、本当につらいものです。

アレルギー性鼻炎があると副鼻腔炎になりやすい?

アレルギー性鼻炎は、副鼻腔炎、特に長引く慢性副鼻腔炎と関連することが分かっています[5]。アレルギー性鼻炎とは、ハウスダスト、ダニ、スギやヒノキの花粉などに体が過剰に反応し、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが起こる病気です[3]。

アレルギー性鼻炎では、花粉の季節や、ダニ・ハウスダストが原因なら一年中、鼻の粘膜が腫れやすくなります。そこにかぜによる粘膜の腫れが重なると、副鼻腔の出口はさらに狭くなりやすいと考えられます。

6歳から53歳まで追いかけた研究:花粉症やぜんそくが慢性副鼻腔炎と関連

オーストラリアのタスマニア州で、1968年に6〜7歳だった8,583人を中年期まで追いかけた研究があります[5]。中年期の調査に参加したのは3,609人です[5]。

53歳の時点で、慢性副鼻腔炎の症状が今あると答えた人は5.8%、医師の診断もある人は2.5%でした[5]。

大人になってから花粉症が始まった人は、医師に診断され症状もある慢性副鼻腔炎と、多項オッズ比(オッズひ:病気の起こりやすさが何倍かを表す数字)3.02で関連していました[5]。95%信頼区間(しんらいくかん:本当の値がおそらく入る幅)は1.51〜6.06で、1をまたがないので偶然だけでは説明しにくい結果です[5]。

子どもの頃からぜんそくとアレルギーが続いた人では6.74(95%信頼区間2.76〜16.4)、子どもの頃にかぜをよくひいた人でも2.04と、関連が見られました[5]。研究チームは、ぜんそくとアレルギーを、慢性副鼻腔炎の「治療できる可能性のある要素」としています[5]。

ただし、この研究は「関連」を調べたもので、鼻炎やぜんそくを治療すれば副鼻腔炎が減るかまでは確かめていません[5]。それでも、鼻炎やぜんそくをきちんと抑えておくことは、副鼻腔炎の「こじれ」を減らす土台になると考えられます。

院長蒲生

花粉症やぜんそくは、ふだんからきちんと抑えておくことが大切です。

ガイドラインでも、副鼻腔炎の診察では、アレルギー性鼻炎など鼻の病気の既往を聞くことが有用とされています[1]。

当院のアレルギー科については、アレルギー科のページもご覧ください。

慢性副鼻腔炎とは?鼻茸やぜんそくとの関係

慢性副鼻腔炎とは、急性期の症状が落ち着いた後も、すっきりしない状態が続いて炎症が慢性化したものです[3]。鼻づまり、粘り気のある鼻水、頭が重い感じ、においが分からないなどの症状が続くときは注意が必要です[3]。

最近は、好酸球(こうさんきゅう:アレルギーに関わる白血球の一種)が多く集まる、好酸球性副鼻腔炎が増えています[3]。治りにくいこと、ぜんそくを合併することがあること、においが分からないこと、鼻茸(はなたけ:鼻の中にできるやわらかいポリープ)を伴うことが特徴です[3]。

慢性副鼻腔炎の治療には、少ない量のマクロライド系抗菌薬(抗菌薬の種類の一つ)を長く飲む方法やネブライザー(薬を霧にして吸う方法)があります[3]。それでも治らないときは、内視鏡(細いカメラ)を使った手術が行われます[3]。

ぜんそくのある方で、鼻づまりやにおいの低下が続くときは、鼻の病気も一緒に診てもらうことをおすすめします。鼻と気管支は一続きの空気の通り道なので、両方を合わせて考えることが大切です。

院長蒲生

鼻と気管支はひと続き。ぜんそくのある方は、鼻の症状も一緒に気にかけてください。

副鼻腔炎の画像検査はレントゲンよりCTが向いている?

副鼻腔炎の画像検査は、レントゲン(単純X線)よりCTのほうが詳しく分かります。副鼻腔は骨に囲まれているため、レントゲンでは診断に限界があると、日本のガイドラインも述べています[1]。

ガイドラインには、急性副鼻腔炎でレントゲンとCTを比べた研究が紹介されています[1]。レントゲンは頬の奥の上顎洞の影には80%の感度(かんど:病気がある人を検査で正しく見つけられる割合)がありました[1]。それ以外の副鼻腔では感度が低く、診断が難しかったとされています[1]。

目と目の間の篩骨洞や額の奥の前頭洞は、レントゲンでは見落とされやすい場所ということになります。

米国放射線専門医会(ACR)の画像検査の指針は、CTとMRI(エムアールアイ:磁気を使って体の断面を写す検査)を、副鼻腔の病気の主な画像検査としています[6]。

CTは骨の形が細かく写るので、副鼻腔の炎症の有無、骨が溶けていないか、生まれつきの形の違いを正確に示せるとしています[6]。MRIは、目の奥や頭の中への広がりを見るのに優れるとされています[6]。これは米国の指針で、国や医療機関によって方針が異なります。

画像検査が必要になるのはどんなとき?

日本のガイドラインでは、大人の急性副鼻腔炎は、症状と経過、鼻の中の診察で診断し、治療を始められるとしています[1]。つまり、急性副鼻腔炎の全員に画像検査が必要なわけではありません。

院長蒲生

画像検査は、全員に必要なものではありません。症状や経過から、必要なときに選ばれます。

一方で、症状が強い、治療しても良くならない、繰り返す、合併症(がっぺいしょう:もとの病気がきっかけで起こる別の病気)が心配なときは、CTで多くの情報が得られます[1]。お子さんでは、合併症が疑われない限りCTは必要ないとされています[1]。

画像で詳しく調べるなら、副鼻腔全体と周りの骨まで写せるCTが中心、というのが現在の考え方です[1][6]。

【夜間・休日でも受診・119番】副鼻腔炎の危険サイン

副鼻腔炎の危険サインは、目の周りの腫れ、見え方の変化、これまでにない強い頭痛です。副鼻腔は目や脳と薄い骨で接しているため、まれに炎症が目の奥(眼窩:がんか)や頭の中へ広がります[1]。

ガイドラインは、重症例では眼窩蜂巣炎(がんかほうそうえん:目の奥の組織の感染)などを起こすことがある、としています[1]。目の奥や頭の中の合併症が疑われるときは、入院して点滴の抗菌薬を使い、手術も考えます[1]。

網膜や視神経は短い時間の酸素不足でも傷つきやすく、視力障害が出れば早い手術が必要とされています[1]。次のサインは夜間・休日でも待たずに救急外来を受診してください。

  • まぶたや目の周りが赤く腫れてきた、腫れて目が開けにくい
  • 物が二重に見える、目が動かしにくい、視力が落ちた・見えにくい
  • これまで経験したことのない強い頭痛、特に高い熱を伴うもの
  • 額が腫れて、ぶよぶよしている

さらに、意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い、けいれんした、首が硬くて前に曲げられないときは、頭の中への広がりが心配です。迷わず119番してください。

院長蒲生

目のまわりの腫れや見え方の変化は、夜でも休日でも待たないでほしいサインです。

副鼻腔炎の治療は?抗菌薬と鼻炎の治療

副鼻腔炎の治療は、細菌性なら抗菌薬が柱で、そこに鼻炎の治療を組み合わせます。ガイドラインは、細菌性の副鼻腔炎は重症化(じゅうしょうか:症状が重くなること)しやすいため、早期に抗菌薬による治療を必要とするとしています[1]。

日本のガイドラインでは、抗菌薬の投与期間は7〜10日が適当とされています[1]。実際の日数は、重症度や薬の種類に応じて医師が決めます。

抗菌薬は、必要なときは迷わず始め、出された分は症状が軽くなっても最後まで飲み切ってください。途中でやめると、残った細菌がぶり返す原因になります。家に余っていた抗菌薬を自己判断で飲むのはやめましょう。

アレルギー性鼻炎の治療:ステロイド点鼻薬と抗ヒスタミン薬

アレルギー性鼻炎の治療の基本は、原因物質を避けることと、飲み薬や点鼻薬で症状を抑えることです[3]。原因が分かれば、体を少しずつ慣らすアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)という根本的な治療もあります[3]。

ステロイド点鼻薬(鼻にスプレーするステロイド薬)と、抗ヒスタミン薬(アレルギー反応を抑える飲み薬)を比べた解析があります[7]。1998年に発表された、世界の16のランダム化比較試験(くじ引きのように治療を割り付けて比べる試験)、2,267人をまとめたものです[7]。

これはメタ解析(複数の研究の結果を数字で合算して評価する方法)で、系統的レビュー(同じテーマの研究をもれなく集めて評価する方法)の一つです[7]。鼻づまり、鼻水、くしゃみ、鼻のかゆみは、ステロイド点鼻薬のほうが抗ヒスタミン薬より改善しました[7]。

鼻づまりは、副鼻腔の出口をふさぐ粘膜の腫れそのものです。アレルギー性鼻炎の鼻づまりをしっかり抑えることは、鼻炎をこじらせないための理にかなった方法と考えられます。

ステロイド点鼻薬は副鼻腔炎にも効く?

急性副鼻腔炎の患者さん1,943人が参加した4つの試験を調べた、コクランレビューがあります[8]。コクランは、医療の研究を集めて評価する国際的なグループです。

3つの試験をまとめると、症状が治った・良くなった人は、ステロイド点鼻薬で73%、偽薬で66.4%でした(リスク比1.11、95%信頼区間1.04〜1.18)[8]。リスク比は、良くなる割合が何倍になったかを表す数字で、効果は「控えめだが意味のある上乗せ」という結論です[8]。

ただし、これは海外の試験をまとめた結果です。日本のガイドライン(2014年の追補版)は、国内でステロイド点鼻薬が承認されている病気に、急性副鼻腔炎は含まれていないと説明しています[1]。アレルギー性鼻炎がある方は、その治療を続けることが、結果的に副鼻腔の出口を守ることにつながると考えられます。

市販の鼻づまりスプレーの注意点

市販の鼻づまり用スプレーには、血管収縮薬(けっかんしゅうしゅくやく:鼻の血管を縮めて腫れを引かせる薬)を含むものがあります。血管収縮薬で一時的に鼻づまりは楽になりますが、薬が副鼻腔まで届かないため、副鼻腔の粘膜の腫れには効かないとされています[1]。

続けて使ったり何度も使ったりすると効きが悪くなるため、休む期間が必要とされています[1]。2歳未満の小さなお子さんは全身の副作用が出やすく、連用しないことが望ましいとされています[1]。

院長蒲生

鼻炎も副鼻腔炎も、「鼻が通れば勝ち」という単純な話ではないのが難しいところです。経過を一緒に見ていきましょう。

副鼻腔炎で受診するときに伝えてほしいこと

副鼻腔炎で受診するときは、次のことを伝えていただくと診断の近道になります。メモしておくと伝えやすくなります。

  • 鼻の症状がいつ始まったか、いったん良くなった日はあるか、また悪くなったのはいつか
  • 鼻水の色と、黄色〜緑色の鼻水が何日続いているか
  • 熱の経過(いちばん高かった体温、ぶり返した日)
  • 痛む場所(頬・額・目の奥・上の歯)と、片側か両側か
  • アレルギー性鼻炎・花粉症・ぜんそくがあるか、ふだん使っている点鼻薬や飲み薬
  • 歯の痛みや歯科治療の経歴(歯が原因の副鼻腔炎との区別に必要です[1])
  • 飲んだ薬(抗菌薬・解熱鎮痛薬・市販薬)と、最後に飲んだ時刻
  • 糖尿病などの持病(副鼻腔炎が治りにくくなる手がかりとして、ガイドラインでも聞く項目です[1])

当院の受診のしかた【発熱があるときは発熱外来へ】

熱を伴う鼻や副鼻腔の症状は、仙台空港北クリニックでは発熱外来で受け付けています。予約は不要で、事前問診と当日チェックインで受け付けています。当院は、発熱外来の受診をお断りしない方針です。

熱がなく、鼻水や鼻づまりが長引いているときは、下の診療時間内にご相談ください。

曜日時間
月・火・水・金・土9:00〜12:00/14:00〜18:00
日曜・祝日(2026年10月4日から)10:00〜15:00(昼休みなし・発熱外来のみ)
木曜休診

日曜・祝日のくわしい予定は日曜・祝日の発熱外来のお知らせと、発熱外来の事前問診・当日チェックインについてをご覧ください。

発熱外来の受診の流れ

チェックインは入口のQRコード(キューアールコード:スマホのカメラで読み取る四角い模様)から行います。順番が近づいたら、SMS(エスエムエス:携帯電話のショートメッセージ)またはお電話でお呼びします。

  • 来院前に事前問診を入力します(任意です。入口でチェックインするときに入力してもOKです)
  • 発熱外来入口のQRコードを読み取り、「到着したのでチェックインする」を選んでチェックインします(必須)
  • 平日は、チェックインが終わったらそのままお車の中でお待ちください
  • 日曜・祝日は、チェックイン後に一般外来入口で保険証(マイナ保険証・資格確認書など)の確認をします。日曜・祝日は一般外来を行っていないので、ご遠慮なくお入りください。確認が済んだらお車などでお待ちください
  • 順番が近づいたら、SMSまたはお電話でお呼び出しします。発熱外来入口のインターホンを押して、お名前をおっしゃってください

目の周りの腫れや見え方の変化、これまでにない強い頭痛があるときは、当院の発熱外来ではなく救急外来を受診してください。夜間・休日も待たないでください。

よくある質問(FAQ)

鼻炎と副鼻腔炎は何が違うのですか?

鼻炎は鼻の中の粘膜の炎症で、副鼻腔炎は鼻の周りの骨にある空洞(副鼻腔)まで炎症が広がった状態です[3]。鼻炎で粘膜が腫れて副鼻腔の出口がふさがると、副鼻腔炎へ進むことがあります[1][2]。

アレルギー性鼻炎を治療すると、副鼻腔炎を防げますか?

タスマニアの研究は関連を調べたもので、治療で副鼻腔炎を防げるかまでは確かめていません。ただ、花粉症やぜんそくは慢性副鼻腔炎と関連し、研究チームは「治療できる可能性のある要素」としています[5]。鼻づまりを抑えて副鼻腔の出口をふさがりにくくすることは、理にかなった対策と考えられます。

黄色い鼻水が出たら、副鼻腔炎で抗菌薬が必要ですか?

かぜの初期にも黄色い鼻水は出ます。目安は、膿のような鼻水が10日以上続く、5〜7日後にかえって悪くなる、高い熱と一緒に3〜4日続く、の3つです[1]。あてはまれば受診し、抗菌薬が必要と判断されたら迷わず始めて、出された分を最後まで飲み切ってください。

副鼻腔炎は、CTを撮らないと分かりませんか?

大人の急性副鼻腔炎は、症状と経過、鼻の中の診察で診断し、治療を始められるとされています[1]。症状が強い、治療しても良くならない、繰り返す、合併症が心配というときは、レントゲンより多くの情報が得られるCTが役立ちます[1][6]。

市販の鼻づまりスプレーを使い続けても大丈夫ですか?

市販の鼻づまり用スプレーには血管収縮薬を含むものがあり、一時的に鼻は通りますが、副鼻腔の粘膜の腫れには効かないとされています[1]。連用すると効きが悪くなるため休む期間が必要とされているので、長く使っているときはご相談ください[1]。

抗菌薬を飲み始めて数日たちますが、良くなりません。

自己判断でやめず、もう一度受診してください。ガイドラインでも、最初の治療で改善がない場合は抗菌薬を変更する手順が示されています[1]。目の周りの腫れ、見え方の変化、これまでにない強い頭痛があるときは、夜間・休日でも救急外来を受診してください。

まとめ【鼻炎をこじらせず、副鼻腔炎のサインを見逃さない】

  • 鼻炎で粘膜が腫れると副鼻腔の出口がふさがり、副鼻腔炎へ進むことがある
  • かぜの最初の数日は、ほとんどの人の副鼻腔が腫れているが、多くは時間とともに引いていく
  • 細菌性を考える目安は、膿性の鼻水が10日以上、5〜7日後の悪化(二峰性)、高熱と膿性鼻汁が3〜4日で、あてはまれば早めに診療時間内に受診
  • アレルギー性鼻炎や花粉症、ぜんそくは慢性副鼻腔炎と関連するので、鼻づまりをしっかり抑えておく
  • 画像で詳しく調べるなら、レントゲンより副鼻腔全体を写せるCTが中心
  • 目の周りの腫れ、見え方の変化、これまでにない強い頭痛は夜間・休日でも救急外来へ、意識がおかしい・けいれんは119番
  • 抗菌薬は必要なときは迷わず始め、出された分は飲み切り、余った薬を自己判断で使わない

「たかが鼻炎」と放っておくと、顔の痛みや長引く鼻水につながることがあります。鼻の症状が長引くときは、早めにご相談ください。医療は私達におまかせください。

以上

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。記載内容は公開時点の医学的知見に基づいていますが、お一人おひとりの状態によって適切な対応は異なります。症状にご不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考文献

  1. 日本鼻科学会 急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン作成委員会. 急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010年版(追補版). 日本鼻科学会会誌. 2014;53(2):103-160. doi:10.7248/jjrhi.53.103 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/53/2/53_103/_article/-char/ja/
  2. Gwaltney JM, Phillips CD, Miller RD, Riker DK. Computed tomographic study of the common cold. N Engl J Med. 1994 Jan;330(1):25-30. doi:10.1056/NEJM199401063300105 PMID: 8259141
  3. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う代表的な病気:鼻の病気(副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎). 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=21
  4. Chow AW, Benninger MS, Brook I, Brozek JL, Goldstein EJ, Hicks LA, et al. IDSA clinical practice guideline for acute bacterial rhinosinusitis in children and adults. Clin Infect Dis. 2012 Apr;54(8):e72-e112. doi:10.1093/cid/cir1043 PMID: 22438350
  5. Perret JL, Idrose NS, Walters EH, Bui DS, Lowe AJ, Lodge CJ, et al. Childhood infections, asthma and allergy trajectories, and chronic rhinosinusitis in middle age: A prospective cohort study across six decades. Allergy. 2024 Oct;79(10):2717-2731. doi:10.1111/all.16184 PMID: 38987868
  6. Expert Panel on Neurological Imaging, Hagiwara M, Policeni B, Juliano AF, Agarwal M, Burns J, et al. ACR Appropriateness Criteria® Sinonasal Disease: 2021 Update. J Am Coll Radiol. 2022 May;19(5S):S175-S193. doi:10.1016/j.jacr.2022.02.011 PMID: 35550800
  7. Weiner JM, Abramson MJ, Puy RM. Intranasal corticosteroids versus oral H1 receptor antagonists in allergic rhinitis: systematic review of randomised controlled trials. BMJ. 1998 Dec;317(7173):1624-9. doi:10.1136/bmj.317.7173.1624 PMID: 9848901
  8. Zalmanovici Trestioreanu A, Yaphe J. Intranasal steroids for acute sinusitis. Cochrane Database Syst Rev. 2013 Dec;2013(12):CD005149. doi:10.1002/14651858.CD005149.pub4 PMID: 24293353

鼻やのどの症状が続くときにあわせて読みたい記事

日曜・祝日の発熱外来については日曜・祝日の発熱外来のお知らせ、来院のしかたは発熱外来の事前問診・当日チェックインについてをご覧ください。

目次