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【麻疹と風疹】MRワクチンは2回接種【1歳と就学前】

【麻疹と風疹】MRワクチンは2回接種【1歳と就学前】

お急ぎの方へ

  • MRワクチンは、1歳のときに1回、小学校入学前にもう1回の合計2回を確実に受けることが大切です
  • 接種後や麻疹(はしか)を疑う発熱で、息苦しい・意識がおかしい・けいれんが止まらないときは、夜間でも119番
  • 妊娠を希望する女性や、妊婦さんの家族(風しんにかかったことが明らかでない人)は、抗体検査を受け、抗体価が低ければ接種を検討しましょう

おはようございます。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。

「麻疹(はしか)や風疹(ふうしん)が流行していると聞いて、子どものワクチンをどうすればいいか不安」という声を、最近よく耳にします。とくに小さなお子さんをお持ちのご家族からは、

「1回で終わりだと思っていたのに、2回目が必要と言われました」

というご相談も少なくありません。実は、この2回というのがとても大切なのです。

結論から申し上げると、MRワクチンを1歳のときに1回、小学校入学前にもう1回の合計2回、確実に接種することが大切です[1]。麻疹も風疹も、ワクチンできちんと防げる病気だからです。

本記事では、MRワクチンの定期接種の時期、麻疹と風疹のこわさ、ワクチンの効果と副反応、接種できない人の条件、麻疹の人と接触したときの対応を、院長の立場から解説します。

その前に、日曜・祝日の発熱外来のご案内です。インフルエンザやコロナのPCR検査(ピーシーアール検査:ウイルスの遺伝子を増やして見つける検査)は、当日中に結果が分かります。

2026年10月4日から、日曜・祝日も発熱外来を行っています
10時〜15時(昼休みなし)。予約は不要で、当日チェックインで受け付けます。PCR検査は当日中に結果をお伝えします。日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。10月25日(日)は休診で、11月からは原則として毎週日曜日と祝日です。日曜・祝日の発熱外来のお知らせ

文責(この記事を書いた人)

蒲生 俊一(がもう しゅんいち)
仙台空港北クリニック 院長

地元、名取市立閖上小・中学校出身。東北大学医学部医学科を卒業後、仙台オープン病院、気仙沼市立病院、東北大学病院を経て、コロナ禍ただ中の2021年4月に仙台空港北クリニックを開院。「絶対に断らない発熱外来」をつらぬき通し、コロナ5類化までの2年間で2万名を優に超える発熱患者の診療にたずさわる。

所属学会・認定資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本アレルギー学会アレルギー専門医
日本抗加齢医学会専門医
医学博士(東北大学)

目次

MRワクチンとは?麻疹と風疹をいっぺんに防ぐワクチン

MRワクチンは、麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)という2つのウイルス感染症を、1つのワクチンで防ぐ混合ワクチンです。麻しん風しん混合ワクチンにより、感染力が非常に強く、肺炎などの重篤な合併症を起こす麻しんや風しんを予防でき、1歳と小学校に上がる前の合計2回の接種を行います[1]。

麻疹も風疹も、ワクチンで防げる病気です。しかも、1回で終わりではなく、2回受けることに意味があります。麻疹は空気感染で広がりやすく、風疹は妊娠中の女性がかかるとおなかの赤ちゃんに影響します。どちらも、ワクチンで備えておくことが大切です。

院長蒲生

「子どもが2回も注射を受けるのはかわいそう」と心配される方もいますが、2回目は免疫を確実にする大事な仕上げです。

定期接種はいつ受ける?1回目は1歳、2回目は小学校入学前

MRワクチンの定期接種は、1歳の1年間に受ける第1期と、小学校入学前の1年間に受ける第2期の、合計2回です[2]。

回時期対象
第1期1歳の1年間生後12か月から生後24か月に至るまでの間にある人[2]
第2期小学校入学前の1年間5歳以上7歳未満で、小学校就学の始期に達する日の1年前から前日までにある人[2]

第1期は、1歳の誕生日の前日から2歳の誕生日の前日まで、と考えると分かりやすいです[1]。この時期に早めに受けるのがおすすめです。第2期は年長児の1年間で、どちらも予防接種法に基づく定期接種として行われます[2]。まだの方は、かかりつけの医療機関にご相談ください。

麻疹(はしか)はなぜ怖い?感染力と合併症

麻疹は、空気感染・飛沫感染・接触感染で人から人へ伝わり、免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発症する、感染力が非常に強い病気です[1]。厚生労働省も「その感染力は非常に強いと言われています」としています[1]。

合併症も軽くありません。厚生労働省によると、麻疹は肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています[1]。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人です[1]。さらに、頻度は10万人に1人程度とされるものの、感染後数年から十数年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE:あきゅうせいこうかせいぜんのうえん)という中枢神経の病気を発症することがあり、2歳未満で麻疹にかかるとSSPEのリスクが高まります[1]。

国立健康危機管理研究機構(JIHS)の詳細版では、肺炎の合併は6%に認められ、脳炎は1,000例に0.5〜1例の割合で合併するとされています[3]。ワクチンで防げる病気だからこそ、予防が大切です。

風疹と先天性風しん症候群(CRS)とは?

風疹は、飛沫感染や接触感染で伝わり、発熱・全身の小さな赤い発しん・リンパ節の腫れ(主に首、後頭部、耳の後ろ)を特徴とする病気です。感染後2〜3週間の潜伏期間を経て発症します[4]。

風疹でとくに注意が必要なのが、妊娠中の感染です。風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、眼や心臓、耳などに障害をもつ子どもが生まれることがあります。これが先天性風しん症候群(CRS)です。妊娠12週までにかかった場合は85%、妊娠13〜16週の場合は50%などとされています[4]。

風疹は2008年以降、全数把握対象疾患となり、2012〜2013年と2018〜2019年には成人男性中心の全国流行が発生しました[5]。症状が出ない不顕性感染も15%程度あるとされています[5]。

大人の男性の風しん対策はどうなった?2025年3月で終了

2012〜2013年、2018〜2019年の流行を受けて、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性が、風しんに係る定期の予防接種の対象者として追加されました[6]。この年代の男性には過去に公的な予防接種が行われていないため、自分が風しんにかかり、家族や周囲の人たちに広げてしまうおそれがあるからです[6]。

この「風しんの追加的対策」は、令和7年(2025年)3月31日をもって終了しています[6]。現在は、対象世代の方に新しいクーポンが配られる制度は行われていません。

なお、令和7年3月31日までに抗体検査を受けて陰性だった方のうち、ワクチンの偏在などに起因して接種対象期間内に定期の予防接種を受けられなかったと考えられる方は、特例措置の対象となる可能性があります。該当するかどうかは、お住まいの自治体にお問い合わせください[6]。

MRワクチンの効果はどのくらい?2回接種が重要な理由

麻疹に対するワクチンの有効性は、1回接種で95%、2回接種で96%と報告されています(Cochraneレビュー、中等度の確実性)[7]。どちらも高い数字ですが、1回で免疫がつかなかった人を2回目で補えることが、2回接種の意義です[4]。

接種回数麻疹の発症を防ぐ有効性
1回95%[7]
2回96%[7]

MRワクチンを接種することによって、95%程度の人が麻疹ウイルスと風疹ウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています[1]。JIHSの詳細版では、麻疹の免疫獲得率は1回接種で93〜95%以上、2回接種で97〜99%以上と報告されています[3]。また、2回の接種を受けることで、1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます[4]。

さらに、2回接種によって体に免疫の備えができていると、ウイルスを早期に抑えこみ、発症を防いだり(発症予防)、かかったとしても症状が軽く、肺炎や脳炎といった重い合併症のリスクを下げたり(重症化予防)できることが知られています[1]。米国の2001〜2022年の調査では、麻疹の確定例4,056人のうち69%が未接種で、接種回数が増えるほど典型的な症状や重症例が減り、接種していて発症した人(breakthrough)は軽症の傾向がありました[8]。

副反応と、接種できない人は?妊娠中の注意は?

MRワクチン接種後の主な症状には、発熱、発しん、鼻汁、咳嗽、注射部位の紅斑・腫脹などがあります[1]。JIHSの詳細版では、初回接種後の反応として発熱が約20〜30%、発疹は約10%に認められ、いずれも軽症でほとんどは自然に消失するとされています[3]。

重大な副反応として、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎・脳症、けいれん、血小板減少性紫斑病がごく稀に(0.1%未満)報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明らかでない場合も含まれています[1]。接種後30分は、血管迷走神経反射による失神やアナフィラキシーに注意が必要です[3]。なお、過去に麻疹や風疹にかかったことがある人が接種しても、副反応は増強しません[1]。

次のいずれかにあてはまる方は、接種を受けることができません[1]。

  • MRワクチンの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
  • 免疫機能に異常のある疾患がある方、免疫を抑える効果のある治療を受けている方
  • 妊娠していることが明らかな方
  • 発熱している方
  • 重篤な急性疾患にかかっている方

発熱している方、重篤な急性疾患にかかっている方は、治ってから接種します[1]。妊娠出産年齢の女性は、あらかじめ1か月間程度避妊した後に接種し、ワクチン接種後2か月程度は妊娠を避ける必要があります[1]。妊娠中の女性は、生ワクチンであるMRワクチンを受けることができません[1]。

接種後や、麻疹を疑う発熱のときに、次の症状があれば夜間・休日でも119番に電話してください。

  • 息苦しい、のどや顔が腫れた感じ、全身にじんましんが出てぐったりしている(アナフィラキシーを疑うとき)
  • 意識がおかしい、呼びかけに返事がない
  • けいれんが止まらない
  • 唇が紫っぽい、肩で息をしている

判断に迷うときは、小児救急電話相談(#8000)や、宮城県のおとな救急電話相談(#7119)も利用できます。ただし、明らかに危ないサインがあるときは、相談をはさまず119番です。接種後の発熱の見分け方については、予防接種の後の発熱もあわせてご覧ください。

麻疹の人と接触したらどうする?72時間以内のワクチン

麻疹の患者と接触したときは、できるだけ早くかかりつけ医に相談してください。JIHSの詳細版では、麻しん患者と接触後、緊急(72時間以内)に麻しん含有ワクチンの接種を受けることで、発症を予防できる可能性があるとされています[3]。

日本小児科学会も、かかったことがなく、ワクチン未接種あるいは1回接種、接種歴不明の場合は、患者との接触後72時間以内であればワクチン接種によって発症の阻止、あるいは症状の軽減が期待できるとしています[9]。生後6か月以上の乳児では、緊急避難的に接種を検討することもあります[9]。接触から72時間を超え、6日以内であれば、γグロブリン(ガンマグロブリン)によって症状の軽減をはかることもできますが、血液製剤であることを考慮する必要があります[9]。

麻疹は空気感染するため、手洗いやマスクでは十分な予防ができません。そのため、ワクチンによる予防が最も重要です[3]。接触したかもしれないときは、受診の前に、まず電話で「麻疹の人と接触したかもしれない」と伝えてください。待合室での感染を防ぐためです。

よくある質問(FAQ)

1歳の子にMRワクチンを受けさせたいのですが、いつ受ければいいですか?

第1期は、生後12か月から生後24か月に至るまでの間(1歳の1年間)に1回です[2]。1歳の誕生日を迎えたら、できるだけ早めに受けるのがおすすめです。第2期は5歳以上7歳未満で、小学校入学前の1年間に1回受けます[2]。

1回受けたのに、2回目も必要ですか?

はい、2回が必要です。MRワクチンは1回では免疫が付かない方がおられ、2回の接種を受けることで、1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます[4]。JIHSの詳細版でも、麻疹の免疫獲得率は1回接種で93〜95%以上、2回接種で97〜99%以上と報告されています[3]。

大人ですが、麻疹や風疹のワクチンは受けられますか?

大人の麻疹については、かかったことがなく2回の予防接種を受ける機会がなかった方(2000年4月1日以前に生まれた方)のうち、医療関係者・学校等の職員・流行国へ渡航する方などは、2回目の接種についてかかりつけの医師にご相談ください[1]。風疹については、妊娠を希望する女性や、抗体を保有していない妊婦の家族のうち、明らかに風しんにかかったことのない人は、抗体検査を受けて、抗体価が低い場合には接種を検討しましょう[1]。かつての風しんの追加的対策(対象世代の男性)は2025年3月31日で終了しているため、該当するかどうかは自治体にご相談ください[6]。

妊娠中ですが、MRワクチンは受けられますか?

妊娠していることが明らかな方は接種を受けられません[1]。妊娠出産年齢の女性は、あらかじめ1か月間程度避妊した後に接種し、接種後2か月程度は妊娠を避ける必要があります[1]。妊娠中の感染を防ぐには、周りのご家族が風しんにかからないよう予防することも大切です[4]。

麻疹の人と接触したかもしれないときは、どうすればいいですか?

できるだけ早く医療機関に相談してください。患者との接触後72時間以内であれば、ワクチン接種によって発症の阻止や症状の軽減が期待できます[9]。まずは電話で「麻疹の人と接触したかもしれない」と伝えたうえで、受診のしかたを相談してください。息苦しい、意識がおかしい、けいれんが止まらないときは、夜間・休日でも119番です。

まとめ【MRワクチンは1歳と小学校入学前の2回を】

  • MRワクチンは、1歳のときに1回、小学校入学前にもう1回の合計2回を確実に受けることが大切です
  • 接種後や麻疹(はしか)を疑う発熱で、息苦しい・意識がおかしい・けいれんが止まらないときは、夜間でも119番
  • 妊娠を希望する女性や、妊婦さんの家族(風しんにかかったことが明らかでない人)は、抗体検査を受け、抗体価が低ければ接種を検討しましょう
  • 麻疹は空気感染で感染力が非常に強く、肺炎や脳炎、SSPEなどの重い合併症を起こしうる[1]
  • 麻疹の人と接触したときは、72時間以内のワクチン接種を検討する[3][9]

麻疹も風疹も、ワクチンで防げる病気です。2回の接種を確実に済ませて、お子さんとご家族を守りましょう。ご不明な点は、どうぞお気軽にご相談ください。医療は私達におまかせください。

以上

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。記載内容は公開時点の医学的知見に基づいていますが、お一人おひとりの状態によって適切な対応は異なります。症状にご不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考文献

  1. 厚生労働省. MRワクチン. 厚生労働省ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/mr/index.html
  2. 厚生労働省. 定期接種実施要領(改正後全文・令和8年10月1日改正). 厚生労働省ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.mhlw.go.jp/content/001744583.pdf
  3. 国立健康危機管理研究機構. 麻しん(詳細版). 感染症情報提供サイト(JIHS). 2024年8月23日改訂. 参照 2026年10月. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/measles/detail/index.html
  4. 厚生労働省. 風しん. 厚生労働省ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
  5. 国立健康危機管理研究機構. 風しん. 感染症情報提供サイト(JIHS). 更新日 2025年4月28日. 参照 2026年10月. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/rubella/index.html
  6. 厚生労働省. 風しんの追加的対策について. 厚生労働省ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html
  7. Di Pietrantonj C, Rivetti A, Marchione P, Debalini MG, Demicheli V. Vaccines for measles, mumps, rubella, and varicella in children. Cochrane Database Syst Rev. 2021 Nov;11(11):CD004407. doi:10.1002/14651858.CD004407.pub5 PMID: 34806766
  8. Leung J, Munir NA, Mathis AD, Filardo TD, Rota PA, Sugerman DE, et al. The effects of vaccination status and age on clinical characteristics and severity of measles cases in the United States in the postelimination era, 2001-2022. Clin Infect Dis. 2025 Mar;80(3):663-72. doi:10.1093/cid/ciae470 PMID: 39271123
  9. 日本小児科学会. 麻疹(はしか). 一般の方 > 予防接種・感染症. jpeds.or.jp. 参照 2026年10月. https://www.jpeds.or.jp/general/prevention/yobo-kansensho/kansensho02-04.html

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