===========================================
PCRは【全例】【即日】結果報告
発熱患者さま【全員】【必ず】診察いたします
日曜・祝日も発熱外来【10時〜15時】
===========================================

【大人の胸の痛み】119番を呼ぶサインと3つの危険な病気【自分で運転しない】

【大人の胸の痛み】119番を呼ぶサインと3つの危険な病気【自分で運転しない】

お急ぎの方へ

  • 胸の中央が締め付けられる・圧迫される痛みが2~3分続くときは、すぐに119番で救急車を呼ぶ[1]
  • 突然の胸や背中の激痛、急な息切れ、意識がない[1][2]、けいれんしているときも119番
  • 女性・高齢者・糖尿病では、息切れ・吐き気・背中や歯の痛みなど非典型的な症状が多い[3][4]

おはようございます。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。

「胸が締め付けられる」「胸の真ん中が圧迫される」。そんな痛みが起きたとき、自分で車やタクシーに乗って病院へ向かおうと考えていませんか。実は、心臓の病気が疑われる症状では、自分で運転して向かうのではなく救急車を呼ぶことが、ガイドラインで求められています[3]。

「少し休めば治まるだろう」

そう思って様子を見てしまう前に、知っておいてほしいことがあります。胸の痛みには、命に関わる病気が隠れていることがあります[3]。

結論から申し上げると、胸の中央の締め付け・圧迫が2~3分続くとき、突然の胸や背中の激痛、急な息切れ、意識がないときは、ためらわず119番で救急車を呼んでください[1][2]。けいれんしているときも同じです。自分で運転して受診するのではなく、救急車を要請することが大切です[3][4]。

本記事では、急性冠症候群(きゅうせいかんしょうこうぐん)、大動脈解離(だいどうみゃくかいり)、肺塞栓症(はいそくせんしょう)という3つの危険な胸の痛みのサイン、女性・高齢者・糖尿病の方で症状が違って見えること、119番と相談窓口の使い分けを解説します。

その前に、日曜・祝日の発熱外来のご案内です。インフルエンザやコロナのPCR検査(ピーシーアール検査:ウイルスの遺伝子を増やして見つける検査)は、当日中に結果が分かります。

2026年10月4日から、日曜・祝日も発熱外来を行っています
10時〜15時(昼休みなし)。予約は不要で、当日チェックインで受け付けます。PCR検査は当日中に結果をお伝えします。日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。10月25日(日)は休診で、11月からは原則として毎週日曜日と祝日です。日曜・祝日の発熱外来のお知らせ

文責(この記事を書いた人)

蒲生 俊一(がもう しゅんいち)
仙台空港北クリニック 院長

地元、名取市立閖上小・中学校出身。東北大学医学部医学科を卒業後、仙台オープン病院、気仙沼市立病院、東北大学病院を経て、コロナ禍ただ中の2021年4月に仙台空港北クリニックを開院。「絶対に断らない発熱外来」をつらぬき通し、コロナ5類化までの2年間で2万名を優に超える発熱患者の診療にたずさわる。

所属学会・認定資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本アレルギー学会アレルギー専門医
日本抗加齢医学会専門医
医学博士(東北大学)

目次

【結論】大人の胸の痛み、119番を呼ぶべきサインは?

結論はシンプルです。表の下の一覧のサインのどれか1つでもあれば、すぐに119番で救急車を呼んでください[1][2]。夜間・休日でも同じです。

疑う病気代表的なサイン
急性冠症候群(ACS)胸の中央の締め付け・圧迫、冷や汗、肩や腕への広がり[1][3]
大動脈解離突然の胸や背中の激痛[5]
肺塞栓症急な息切れ、呼吸困難[1][6]。胸の痛みや片脚のむくみ・痛みを伴うこともあります[6]

表の下の一覧は、消防庁が公開している成人向けの救急車利用リーフレットが「すぐに救急車を呼びましょう」としている症状をもとにしています[1]。厚生労働省も「緊急性が高いと判断した時は迷わず救急車を要請してください!」と呼びかけています[2]。

  • 胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2~3分続く[1]
  • 突然の激痛[1]
  • 痛む場所が移動する[1]
  • 急な息切れ、呼吸困難[1]
  • 冷や汗を伴うような強い吐き気[1]
  • 意識がない(返事がない)、またはもうろうとしている[1]
  • けいれんしている(とくに、けいれんが止まらない、止まっても意識が戻らない場合[1])

高齢の方では「旅行などの後に痛み出した」も、見逃さないサインとして挙げられています[1]。

胸の中央が締め付けられる・圧迫される痛みが続くときは?

心臓の血管が詰まる急性冠症候群(ACS)の代表的なサインです[3]。消防庁のリーフレットは、胸の中央の締め付け・圧迫が2~3分続くときは、すぐに救急車を呼ぶよう示しています[1]。

日本循環器学会のガイドラインも、ACSが疑われる症状が出た場合は、患者自身が医療機関を受診するのではなく、ただちに119番通報して救急車を要請する必要があると明記しています[3]。

ガイドラインでは、狭心症の胸痛は数分程度が多く、長くても15〜20分、20分以上持続し、その性状がACSによるものである場合は急性心筋梗塞(AMI)の可能性が高いとされています[3]。日本救急医療財団心肺蘇生法委員会の「救急蘇生法の指針2025(市民用)」も、急性心筋梗塞を疑う症状が長く(20分以上)続く場合には、一刻も早く119番通報する必要があるとしています[4]。

院長蒲生

何分待てばよいか、という区切りではありません。短い痛みが繰り返すときも、治まったあとも、受診が大切です。

国立循環器病研究センターは、冷や汗を伴うほどの強い胸痛や胸の圧迫感、15分以上持続する症状、または軽減と増悪を繰り返し徐々に悪化する場合は、危険な状態だとしています[7]。

時間が命を左右します。急性心筋梗塞は発症から2時間以内の治療が効果的とされ[4]、心臓発作を起こした人の約3人に2人は、発症の数日から数週間前に不安定狭心症、息切れ、または疲労感を経験していると報告されています[7]。

そのため、今までにない胸の痛みや圧迫感が断続的に繰り返すときは、緊急で循環器内科を受診してください[8]。前兆の時点で治療すれば、より安全に治療できます[8]。ただし、胸の中央の締め付け・圧迫が2~3分続くときも、急性心筋梗塞を疑う症状が20分以上続くときも、受診ではなく119番です[1][4]。

突然の胸や背中の激痛は?

大動脈解離の可能性があります。大動脈解離は、ほとんどの場合、何の前触れもなく、突然、胸や背中の激痛とともに起こります[5]。

国立循環器病研究センターによると、特に上行大動脈に解離が及ぶA型では、1時間に1%ずつ死亡率が上昇すると言われています。つまり、48時間以内におよそ半分の患者さんが亡くなることになります[5]。

大動脈解離は、脳卒中による意識障害を疑われたり、急性心筋梗塞を疑われて治療が始まってから分かったりすることがあります[5]。

国立循環器病研究センターは、「突然の胸や背中の激痛を起こす病気で、様子を見ても大丈夫と言える病気はありませんので、とにかく一刻も早く救急車を呼んで医療機関を受診し、治療を受ける必要があります」としています[5]。些細な症状でも、救急救命士や医師に伝えてください[5]。

急な息切れや胸の痛みは?

肺塞栓症(エコノミークラス症候群)の可能性があります。長時間同じ姿勢でいると、脚の静脈に血の固まり(深部静脈血栓)ができ、その一部が血流にのって肺の血管を閉塞するのが肺塞栓症です[6]。

厚生労働省は、歩行時の息切れ、胸の痛み、一時的な意識消失、あるいは片側の足のむくみや痛みが出現したときは、早急に医療機関を受診するよう促しています[6]。

急な息切れ、呼吸困難は、消防庁が「すぐに救急車を呼びましょう」としているサインです[1]。肺塞栓症が疑われるときも同じで、意識がない、ひどく息苦しいときは119番です。長時間同じ姿勢のあとに、歩行時の息切れ、胸の痛み、片脚のむくみが出たときは、早急に受診してください[6]。

女性・高齢者・糖尿病では症状が違って見える?

はい。非典型的な症状は、とくに高齢者、糖尿病および女性の患者でしばしばみられます[3]。

ガイドラインでは、高齢者では心筋虚血の症状として息切れを訴えることがあり、全身倦怠感、食欲不振、失神、意識レベルの低下などが唯一の症状のこともあるとされています[3]。

随伴症状として、男性では冷汗が、女性では嘔気、嘔吐、呼吸困難感が多いとされています[3]。顎、頸部、肩、心窩部、背部、腕への放散も、女性で多く認められます[3]。

救急蘇生法の指針2025では、とくに高齢者では食欲がない、元気がないといった軽い症状のこともあり、糖尿病の人も少し息が苦しいといった程度でわかりにくいことがあるとされています[4]。胸以外に、背中、左の肩や腕、胃のあたり(みぞおち)に症状が出ることもあり、筋肉痛や肩こり、胃腸の病気と勘違いすることがあります[4]。歯やあごのうずくような感じで歯科を受診する人もいます[4]。

ガイドラインは、痛みの性状だけでACSを除外してはならないともしています[3]。胸が痛くないから、痛みが軽いから、と安心はできません。

米国の大規模登録研究では、心筋梗塞と診断された患者の33%が、受診時に胸の痛みがありませんでした[9]。別の登録研究では、胸の痛みなく受診した人の割合は女性42.0%、男性30.7%で、女性のほうが高いという結果でした[10]。これらは米国のデータで日本の数字ではありませんが、胸が痛くないことがある、という事実を示しています。

院長蒲生

「いつもと違う」「様子がおかしい」と感じたときも、遠慮は要りません。消防庁のリーフレットも、挙げた症状のほかに「いつもと違う場合、様子がおかしい場合」を症状の一覧に加えています[1]。

自分で運転せず119番、迷ったらどうする?

ACSが疑われる症状が出たら、自分で運転して受診するのではなく、119番通報してください[3]。

救急蘇生法の指針2025も、本人は「救急車は大げさなので、呼ばないで」と遠慮し、自家用車やタクシーで病院に向かいがちだが、移動中に容態が悪化する可能性があるため、救急車を利用してほしいとしています[4]。救急隊の到着を待つ間にも、普通に話していたのに突然、不整脈で心臓が止まり、意識を失うことがあります[4]。

次のどれか1つでもあれば、迷わず119番です。

  • 呼びかけに返事がない、もうろうとしている[1]
  • けいれんしている(とくに、けいれんが止まらない、止まっても意識が戻らない場合[1])
  • 急な息切れ、呼吸困難[1](ひどく息苦しいときを含む)
  • 胸の中央が締め付けられる・圧迫される痛みが2~3分続く[1]
  • 突然の胸や背中の激痛[1]
  • 痛む場所が移動する[1]
  • 冷や汗を伴う強い吐き気[1]

どれも当てはまらず、なんとなく不安というときは、救急相談窓口(♯7119等)や、かかりつけ医に相談してください[1]。ただし、明らかなサインがあるときに相談をはさむ必要はありません。

「2~3分」は、待つ時間の目安ではありません。強い痛み、冷や汗、息苦しさ、意識のおかしさがあるときは、時間を計らずに119番を呼んでください。胸の痛みが続くときは、診察の前に、まず救急要請を考えてください。

よくある質問(FAQ)

胸の痛みが数分で治まりました。受診は必要ですか?

治まっても、受診をおすすめします。短い痛みは心筋梗塞の前兆のことがあり、前兆の時点で治療すれば、より安全に治療できます[8]。断続的に繰り返すときは、緊急で循環器内科を受診してください[8]。胸の中央の締め付け・圧迫が2~3分続くとき、急性心筋梗塞を疑う症状が20分以上続くときは、受診ではなく119番です[1][4]。

自分で車を運転して病院へ行ってはだめですか?

ACSが疑われる症状では、患者自身が受診するのではなく、ただちに119番通報して救急車を要請する必要があります[3]。移動中に容態が悪化する可能性があり、普通に話していたのに突然、不整脈で心臓が止まることもあるためです[4]。自分で運転せず、119番に電話してください。

女性は胸が痛くならないことがあると聞きました。

米国の登録研究では、胸の痛みなく受診した人の割合は女性42.0%、男性30.7%でした[10]。女性では嘔気、嘔吐、呼吸困難感が多く、顎、頸部、肩、心窩部、背部、腕への放散も多く認められます[3]。吐き気や嘔吐、息苦しさだけのこともあるため、注意してください[4]。

高齢の親が「息苦しい」だけです。心臓でしょうか?

高齢者では、心筋虚血の症状として息切れを訴えることがあり、全身倦怠感、食欲不振、失神、意識レベルの低下などが唯一の症状のこともあります[3]。急な息切れ、呼吸困難は119番のサインです[1]。呼びかけへの返事がおかしい、ひどく息苦しいときは、迷わず119番に電話してください。

発熱や咳もあり、息を吸うと胸が痛みます。

発熱や咳があっても、胸の痛みが心臓や血管の病気によるものではないと決めることはできません。痛みの性状だけでACSを除外してはならないとされています[3]。息苦しさが強いとき、意識がおかしいとき、突然の激痛のときは119番です。発熱や咳と胸の痛みについては肺炎の検査の記事もご覧ください。

119番を呼ぶか迷ったら、どうすればいいですか?

119番通報の判断に迷ったときは、救急相談窓口(♯7119等)、またはかかりつけ医に相談してください[1]。ただし、意識がない、けいれんしている、急に息が苦しい、胸の締め付けが続くときは、相談をはさまず119番です。

まとめ【胸の痛みは「迷ったら119番」】

  • 胸の中央が締め付けられる・圧迫される痛みが2~3分続くときは、すぐに119番で救急車を呼ぶ[1]
  • 突然の胸や背中の激痛、急な息切れ、意識がない[1][2]、けいれんしているときも119番
  • 女性・高齢者・糖尿病では、息切れ・吐き気・背中や歯の痛みなど非典型的な症状が多い[3][4]
  • 短い痛みが繰り返すとき、治まったあとも、循環器内科への受診が必要[8]
  • 自分で運転せず、救急車を要請する[3][4]

胸の痛みの原因は、ご自身では見分けられません。だからこそ、まず119番、という判断があなたとご家族を守ります。迷ったときの相談先も用意されています。

以上

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。記載内容は公開時点の医学的知見に基づいていますが、お一人おひとりの状態によって適切な対応は異なります。症状にご不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考文献

  1. 総務省消防庁. 救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~(令和7年10月 発行). 総務省消防庁ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.fdma.go.jp/publication/portal/items/portal002_japanese.pdf
  2. 厚生労働省. こんな時は迷わず119へ. 上手な医療のかかり方. 参照 2026年10月. https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html
  3. 日本循環器学会, 日本冠疾患学会, 日本胸部外科学会, 日本心血管インターベンション治療学会, 日本心臓病学会, 日本集中治療医学会, et al. 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版). 日本循環器学会ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2018/11/JCS2018_kimura.pdf
  4. 日本救急医療財団心肺蘇生法委員会 監修. 救急蘇生法の指針2025(市民用). 日本救急医療財団ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://qqzaidan.jp/wp-content/uploads/2026/09/shishin2025_shimin_teisei_0910.pdf
  5. 国立循環器病研究センター 病院. 大動脈瘤と大動脈解離. 国立循環器病研究センターウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/aortic-aneurysm_dissection/
  6. 厚生労働省. 深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)について. 厚生労働省ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000121801.pdf
  7. 国立循環器病研究センター 冠疾患科. 急性冠症候群. 国立循環器病研究センターウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.ncvc.go.jp/coronary2/disease/acute_coronary/index.html
  8. 日本循環器学会. 心筋梗塞で命を落とさないために、その前兆を見逃さないで! (STOP MI キャンペーン). 日本循環器学会ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.j-circ.or.jp/old/topics/files/stop-mi_p1.pdf
  9. Canto JG, Shlipak MG, Rogers WJ, Malmgren JA, Frederick PD, Lambrew CT, et al. Prevalence, clinical characteristics, and mortality among patients with myocardial infarction presenting without chest pain. JAMA. 2000 Jun;283(24):3223-9. doi:10.1001/jama.283.24.3223 PMID: 10866870
  10. Canto JG, Rogers WJ, Goldberg RJ, Peterson ED, Wenger NK, Vaccarino V, et al. Association of age and sex with myocardial infarction symptom presentation and in-hospital mortality. JAMA. 2012 Feb;307(8):813-22. doi:10.1001/jama.2012.199 PMID: 22357832

胸の痛みのときにあわせて読みたい記事

発熱や咳を伴う胸の痛みについては、次の記事も参考にしてください。日曜・祝日に受診できるか迷うときは日曜・祝日の体調不良の記事をご覧ください。

目次