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【日本脳炎ワクチン】定期接種のスケジュールと副反応【3歳・9歳・特例】

【日本脳炎ワクチン】定期接種のスケジュールと副反応【3歳・9歳・特例】

お急ぎの方へ

  • 日本脳炎ワクチンの定期接種は、第1期(3回)を3歳の時期、第2期(1回)を9歳の時期に受けるのが標準です[1]
  • 接種後に蕁麻疹、呼吸困難、まぶたや唇の腫れが出たとき、意識がおかしいとき、けいれんしているときは、ためらわず119番に電話してください
  • 接種後は高熱やけいれんなどの異常な症状に注意し、あれば速やかに医師の診察を受けましょう[2]

おはようございます。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。

お子さんの日本脳炎ワクチンについて、「いつ、何回受けるのだろう」「副反応が心配で先延ばしにしてしまった」と悩んでいませんか。母子健康手帳を開きながら、ついそのままにしているご家族も少なくありません。

結論から申し上げると、日本脳炎ワクチンの定期接種は、第1期を3歳の時期に2回と追加1回、第2期を9歳の時期に1回受けるのが標準です[1]。そして、接種機会を逃した方にも、特例で受けられる仕組みがあります[1]。

本記事では、日本脳炎ワクチンの定期接種のスケジュール、特例対象者、副反応、そして受ける意味を、呼吸器専門医の立場から順に解説します。

その前に、日曜・祝日の発熱外来のご案内です。インフルエンザやコロナのPCR検査(ピーシーアール検査:ウイルスの遺伝子を増やして見つける検査)は、当日中に結果が分かります。

2026年10月4日から、日曜・祝日も発熱外来を行っています
10時〜15時(昼休みなし)。予約は不要で、当日チェックインで受け付けます。PCR検査は当日中に結果をお伝えします。日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。10月25日(日)は休診で、11月からは原則として毎週日曜日と祝日です。日曜・祝日の発熱外来のお知らせ

文責(この記事を書いた人)

蒲生 俊一(がもう しゅんいち)
仙台空港北クリニック 院長

地元、名取市立閖上小・中学校出身。東北大学医学部医学科を卒業後、仙台オープン病院、気仙沼市立病院、東北大学病院を経て、コロナ禍ただ中の2021年4月に仙台空港北クリニックを開院。「絶対に断らない発熱外来」をつらぬき通し、コロナ5類化までの2年間で2万名を優に超える発熱患者の診療にたずさわる。

所属学会・認定資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本アレルギー学会アレルギー専門医
日本抗加齢医学会専門医
医学博士(東北大学)

目次

【結論】日本脳炎ワクチンの定期接種は、いつ・何回受ける?

日本脳炎ワクチンの定期接種は、第1期を3歳の時期に、第2期を9歳の時期に受けるのが標準です[1]。第1期は合計3回、第2期は1回で、あわせて4回が基本になります。

「3歳になったら1期の接種を行い、9歳になったら2期の接種を行う」と厚生労働省も案内しています[1]。まずはこの大きな流れをつかんでおけば、母子健康手帳を見ながら落ち着いて予定を立てられます。

院長蒲生

3歳の時期に2回と追加1回、9歳で第2期。手帳に書き込んで、次の予定が見えるようにしておくと安心です。

定期接種のスケジュールは?(第1期は3回・第2期は1回)

第1期は、3歳に達した時から4歳に達するまでの期間に6〜28日の間隔で2回、そのおおむね1年後に1回追加して、合計3回です[1]。第2期は、9歳に達した時から10歳に達するまでの期間に1回です[1]。

添付文書(てんぷぶんしょ:薬の使い方や注意をまとめた公式の文書)でも、標準的な年齢は同じように示されています[2]。

回標準的な年齢回数間隔
第1期 初回3歳に達した時〜4歳に達するまで2回6〜28日
第1期 追加4歳に達した時〜5歳に達するまで1回初回免疫後おおむね1年
第2期9歳に達した時〜10歳に達するまで1回—

法律上は、第1期として受けられる対象は生後6か月から90か月(7歳6か月)に至るまでの方、第2期は9歳以上13歳未満の方と定められています[3]。ここでいう年齢の幅は「受けられる範囲」であり、実際の標準は上の表のとおりです[1][3]。

生後6か月から接種できる?早めに始めたほうがよい子は?

定期接種の第1期として受けられる時期は生後6か月から90か月(7歳6か月)未満で、希望すれば生後6か月以上であればいつでも接種できます[4]。ただし標準的な開始年齢は3歳です[4]。

日本小児科学会は、日本脳炎の流行地域に渡航・滞在するお子さん、最近患者が発生した地域やブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住むお子さんには、生後6か月から接種を始めることを推奨しています[4]。該当しそうな場合は、かかりつけの医師に相談してみてください。

接種しそびれたときは?(特例対象者のしくみ)

積極的勧奨の差し控えなどで接種機会を逃した、1995年4月2日から2007年4月1日までに生まれた方は、20歳になるまでの間、定期接種として受けることができます[1]。

法令上も、この生年月日の方(4歳以上20歳未満)が特例の対象とされています[3]。添付文書では、この生年月日のうち7歳6か月以上9歳未満および13歳以上20歳未満の方も、定期接種の対象とされています[2]。

ご自身やお子さんが当てはまるかどうかは、母子健康手帳でこれまでの接種記録を確認し、お住まいの市区町村にご相談ください[1]。過去に接種した回数が足りない分は接種することが望ましいと考えられていますので、今後の回数は医師と相談するとよいでしょう[1]。

日本脳炎ワクチンの副反応は?(多くは軽く3日以内、まれに重いもの)

日本脳炎ワクチンの主な副反応は、発熱、せき、鼻水、注射部位の紅斑(こうはん:赤くなること)や腫れ、発疹などで、これらのほとんどは接種3日後までにみられます[1]。

臨床試験(りんしょうしけん:承認前に効果と安全性を調べる試験)の数字も見ておきましょう。エンセバックの試験では、生後6か月以上90か月未満の健康な小児163例で副反応は51.5%(84/163例)に認められ、主なものは発熱21.5%、注射部位紅斑16.6%、咳嗽8.0%、注射部位腫脹6.7%、鼻漏6.7%、発疹5.5%でした[2]。ジェービックVの試験では、健康な小児123例で副反応は39.8%(49/123例)、主なものは発熱18.7%、咳嗽11.4%、鼻漏9.8%、注射部位紅斑8.9%でした[5]。

ごくまれに、ショック、アナフィラキシー様症状、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳症、けいれん、急性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症)などの重大な副反応がみられることがあります(いずれも頻度不明)[1][2]。アナフィラキシーでは、蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫(けっかんせいふしゅ:まぶたや唇などが腫れること)などがあらわれることがあります[2]。

ADEM(急性散在性脳脊髄炎:脳と脊髄に炎症が起こる病気)については、2013年4月1日〜2024年3月31日の12年間にのべ約4,594万回の接種がなされ、接種後にADEM(疑わしい症例を含む)を発症したとする副反応が合計30例報告されています[1]。ADEMがワクチン接種によるものかどうかの区別は困難とされています[1]。国内の小児では、原因を問わず年間60〜120人程度(小児人口10万人あたり年間0.30〜0.64人程度)の発症が考えられています[1]。

なお、複数のワクチンを比べたメタ解析(研究をまとめて解析したもの)では、現在使われている不活化Vero細胞ワクチンは、以前のマウス脳由来ワクチンより免疫がつきやすく(オッズ比2.98、95%信頼区間1.02〜8.65)、副反応のオッズはプラセボ(有効成分を含まないもの)と差がなく、重い副反応はワクチンの種類で差がなかったと報告されています[6]。

なぜ日本脳炎ワクチンを受けるの?(重い病気を防ぐ)

日本脳炎は、蚊を介して感染するウイルスの病気で、高熱や頭痛、嘔吐などの症状を呈し、重症化するとけいれんや麻痺などの神経障害を伴い、死亡することがあります[7]。ワクチン接種が予防の中心であり、定期接種として用いられています[7]。

厚生労働省は、日本脳炎ウイルスに感染した場合、およそ1000人に1人が日本脳炎を発症し、発症した方の20〜40%が亡くなり、生存者の45〜70%に精神障害などの後遺症が残るといわれていると説明しています[1]。症状が出る場合は6〜16日の潜伏期間の後に数日間の高熱、頭痛、嘔吐などが現れ、引き続き意識障害やけいれんなどの中枢神経系の障害を生じます[1]。

日本脳炎には特異的な治療法がなく、対症療法が中心です[7]。だからこそ、ワクチンで予防することが大切になります。ワクチン接種により、日本脳炎の罹患(りかん:発病すること)リスクを75〜95%減らすことができると報告されています[1]。

患者数は少なくなっていますが、ゼロではありません。平成4年以降の報告患者は年間10人以下で、令和3年は3人の報告がありました[1]。コガタアカイエカは活動範囲が広いため、都市部であっても日本脳炎に感染するリスクはゼロではありません[1]。

国立感染症研究所の解説(2002年)では、毎夏、日本脳炎ウイルスを持った蚊は発生しており、国内でも感染の機会はなくなっていないとされています[8]。また当時の解析では、日本脳炎の患者のほとんどが予防接種を受けていなかったと報告されています[8]。

免疫(めんえき:体が病原体を防ぐ力)の続きぐあいも、追加接種の大切さを教えてくれます。初回接種から1年後の抗体陽性率は83.4%でしたが、追加接種の10日後には96.9%に達し、6年後も95%以上が保たれていました[9]。

ワクチンとあわせて、蚊に刺されない対策も行いましょう。夏季はなるべく夜間の外出を控え、長袖・長ズボンを身につけ、露出している皮膚に虫除けスプレーを使い、網戸で蚊の屋内への侵入を防ぎます[1]。

接種後に受診を急ぐサインは?

接種後に高熱、けいれんなどの異常な症状が出たときは、速やかに医師の診察を受けてください[2]。次のようなサインを見逃さないでください。

  • 蕁麻疹、呼吸困難、まぶたや唇の腫れ(血管性浮腫)が出たときは、ためらわず119番に電話してください
  • 呼びかけに返事がない、意識がおかしいときは119番です
  • けいれんしているときは119番です
  • 接種後数日から2週間以内に、発熱、頭痛、手足の動かしにくさ(運動障害)などが現れたときは、その日のうちに受診してください[2]。けいれんや意識障害があるときは119番です
  • 接種後数日から3週ごろに、紫斑(しはん:皮下の出血)、鼻出血、口腔粘膜の出血などが現れたときは、その日のうちに受診してください[2]

夜間・休日でも、呼吸が苦しそう、呼びかけへの反応がおかしい、けいれんが続くときは、相談をはさまず119番です。幸い多くは軽い副反応で落ち着きますが、「いつもと違う」と感じたときは、その気持ちを大切にしてください。

よくある質問(FAQ)

日本脳炎ワクチンは何歳で受ければいいですか?

第1期は、3歳に達した時から4歳に達するまでの期間に6〜28日の間隔で2回、そのおおむね1年後に1回追加して合計3回です[1]。第2期は、9歳に達した時から10歳に達するまでの期間に1回です[1]。定期接種として受けられる時期は生後6か月から90か月(7歳6か月)未満で、リスクの高いお子さんは生後6か月から始めることが推奨されています[4]。

接種しそびれてしまいました。今からでも受けられますか?

1995年4月2日から2007年4月1日までに生まれた方は、20歳になるまでの間、定期接種として受けることができます[1]。母子健康手帳で接種記録を確認し、お住まいの市区町村にご相談ください[1]。

副反応が心配です。どんなものがありますか?

主なものは発熱、せき、鼻水、注射部位の紅斑や腫れ、発疹などで、ほとんどは接種3日後までにみられます[1]。臨床試験では、副反応は163例中51.5%にみられ、多くは発熱や注射部位の紅斑でした[2]。ごくまれに重い副反応がみられることがあります(頻度不明)[2]。

接種後に熱が出たら、どうすればいいですか?

接種後の副反応(発熱など)のほとんどは接種3日後までにみられます[1]。ふつうの発熱であれば、解熱剤(げねつざい)を使うこともできます。子どもに使う場合はアセトアミノフェン(カロナールなど)がよく用いられ、量や回数は医師の指示どおりにしてください。高熱やけいれんなどの異常な症状があるときは、速やかに医師の診察を受けてください[2]。けいれんしているとき、呼びかけに反応がないときは119番です。

日本脳炎ワクチンはどこで受けられますか?

接種は、お住まいの市区町村の案内に従い、予防接種を実施している医療機関で受けてください。母子健康手帳でこれまでの接種記録を確認し、分からないときは市区町村にご相談ください[1]。

蚊に刺されないようにするには、どうすればいいですか?

夏季はなるべく夜間の外出を控え、長袖・長ズボンを身につけ、露出している皮膚に虫除けスプレーを使い、網戸で蚊の屋内への侵入を防ぎます[1]。ワクチンとあわせて対策することが大切です[1]。

まとめ【3歳と9歳が定期接種の山場、副反応は多くが接種3日以内】

  • 日本脳炎ワクチンの定期接種は、第1期(3回)を3歳の時期、第2期(1回)を9歳の時期に受けるのが標準です[1]
  • 接種後に蕁麻疹、呼吸困難、まぶたや唇の腫れが出たとき、意識がおかしいとき、けいれんしているときは、ためらわず119番に電話してください
  • 接種後は高熱やけいれんなどの異常な症状に注意し、あれば速やかに医師の診察を受けましょう[2]
  • 1995年4月2日から2007年4月1日までに生まれた方は、20歳になるまで定期接種として受けられます[1]。母子健康手帳と市区町村の案内を確認しましょう
  • 主な副反応は発熱や注射部位の紅斑などで、ほとんどは接種3日後までにみられます[1]
  • 日本脳炎は発症すると重く、特異的な治療法がありません。ワクチンで罹患リスクを75〜95%減らせると報告されています[1][7]

接種の予定は、母子健康手帳を見ればひと目で分かります。分からないことは、どうぞ遠慮なく市区町村やかかりつけの医療機関にたずねてください。お子さんの健康を守るために、一緒に確認していきましょう。

以上

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。記載内容は公開時点の医学的知見に基づいていますが、お一人おひとりの状態によって適切な対応は異なります。症状にご不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考文献

  1. 厚生労働省. 日本脳炎ワクチン. 厚生労働省ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/japanese-encephalitis/index.html
  2. KMバイオロジクス. エンセバック皮下注用(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン)添付文書 (2026年5月改訂 第4版). 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 医療用医薬品 添付文書情報. 参照 2026年10月. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/261976_631340ND1030_3_06
  3. 予防接種法施行令(昭和二十三年政令第百九十七号). e-Gov法令検索. 参照 2026年10月. https://laws.e-gov.go.jp/law/323CO0000000197
  4. 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会. 日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について. 日本小児科学会ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.jpeds.or.jp/society-activities/pediatric-medical-care/vaccination/vaccinations-infectiousdiseases/20207.html
  5. 阪大微生物病研究会(BIKEN) 等. ジェービックV(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン)添付文書 (2026年6月改訂 第4版). 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 医療用医薬品 添付文書情報. 参照 2026年10月. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/630144_631340ND1022_3_26
  6. Furuya-Kanamori L, Xu C, Doi SAR, Clark J, Wangdi K, Mills DJ, et al. Comparison of immunogenicity and safety of licensed Japanese encephalitis vaccines: A systematic review and network meta-analysis. Vaccine. 2021 Jul;39(32):4429-4436. doi:10.1016/j.vaccine.2021.06.023 PMID: 34175128
  7. 国立健康危機管理研究機構(JIHS). 日本脳炎. 感染症情報提供サイト. 参照 2026年10月. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/japanese-encephalitis/index.html
  8. 国立感染症研究所ウイルス第一部 高崎智彦. 日本脳炎(詳細版). 感染症情報提供サイト (IDWR 2002年第1・2合併号). 参照 2026年10月. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/japanese-encephalitis/detail/index.html
  9. Islam N, Xu C, Lau CL, Mills DJ, Clark J, Devine GJ, et al. Persistence of antibodies, boostability, and interchangeability of Japanese encephalitis vaccines: A systematic review and dose-response meta-analysis. Vaccine. 2022 Jun;40(26):3546-3555. doi:10.1016/j.vaccine.2022.04.079 PMID: 35568587

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