【感染疑い患者さま】および【PCR・抗体検査】診察予約
※ 一般外来の患者さまは予約不要です。直接ご来院いただき、一般用入り口からお入りください。
※ 発熱外来の診療開始は午前10時からです。
ロシュ・ダイアグノスティクス社のECLIA法 | 税込7,500円 |
こんにちは。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。
※当記事は文末「参考文献」を根拠としています
新型コロナウイルスに感染したあとやワクチンを接種すると、ウイルスに対する抗体が作られることになります。
抗体があると新型コロナに対する抵抗力が持てるため、次回以降の感染が起こりにくく、仮に感染しても重症化しにくいといった利点があります。
検査はしていないけれど、一時ひどい風邪のような症状が出たことがあった。あれはもしやコロナだったのでは??
知り合いが過去コロナに感染していたことがわかった。自分が濃厚接触者にあたっていたかは微妙だけれど、もしかしたらその時感染して、無症状のまま治ってしまったのでは?
となると、私はコロナに抵抗力あるかも??
などなど、疑問を抱いて(いだいて)おられる方もいらっしゃるかも知れません。いずれにせよ、自分が抗体を持っているかどうか気になる方は決して少なくない数おられるのではないでしょうか。
抗体検査には2種類あります
抗体検査には大きく分けて以下の2種類に分かれています。
検査法の名前 | 検査の種類 | 結果判明までの時間 |
---|---|---|
イムノクロマト法 | 迅速検査 (正確性劣る) | 院内で可能 10分で結果が判明 |
ECLIA法 (電気化学発光免疫測定法) | 精密検査 (超正確) | 外注検査 結果は3診療日後 |
当院では正確性を最重要視するためECLIA法を採用しておりますが、手軽さを重視し迅速検査を採用しているところも多いようです。
イムノクロマト法 (迅速検査) = はやい、やすい、が、正確性に劣る
まず一般的な抗体検査法とも言えるイムノクロマト法について説明します。結論から申し上げると、
その場で検査結果が分かり手軽だが正確性はECLIA法に劣る。
一言でこういった性格の検査です。ソフトバンクの孫さんが無償で医療機関に15万キットも配布してくださったことは覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コストが低く済むため、広く大勢に対して検査をするのには向いていると言えますが、返す返すも正確性に劣るので結果の解釈には要注意です。
言い換えると、抗体を実は持っていないのに陽性と出る可能性、抗体を実は持っているのに陰性と出る可能性が、後で紹介するECLIA法という精密検査に比べて高くなってしまいます。
ECLIA法 (精密検査) = 結果は数日後、だが、超正確
電気化学発光免疫測定法(Electro ChemiLuminescence ImmunoAssay、覚えなくていいやつです)、略してECLIA法です。
ECLIA法は、イムノクロマト法のような院内で可能なキットではなく、採血をして外部の検査会社に委託します。
結果は原則3診療日以内にメールでお知らせします。
当院で採用しているスイスのロシュ・ダイアグノスティクス社のECLIA法の特異度、感度は以下1のようになります。
特異度 | 本当に抗体を保有してない人を、検査陰性と判定できる確率 → 検査陽性だった場合に、本当に抗体を保有している割合 | 99.8% (95%信頼区間 98.63 – 99.85%) |
感度 | 本当に抗体を保有している人を、検査陽性と判定できる確率 → 検査陰性だった場合に、本当に抗体を保有していない割合 | 14日目以降 99.5% (95%信頼区間 88.10 – 100%) |
なかなかに超正確な検査と言ってよいでしょう。
当院でのロシュ社のECLIA法による抗体検査の価格は7,500円(税込)です。さすがに感度特異度とも100%とはいきませんが、この数値であればいくら検査結果が後日であったとしてもECLIA法一択です。
なお、このECLIA法はIgGやIgMが個別に検出されるわけではなく、抗体の有無と抗体価しか分からないという欠点がありますが、基本的に過去の感染有無、抵抗力の有無を見る分には十分です。
ECLIA法の結果はどう解釈したらいいの?
※2021年9月25日追記
ここのところ、我が国でもワクチン接種がだいぶ進んでまいりましたので、ご自身に免疫があるかどうか、抗体価を調べたいという方が増えております。実際に検査をお受けいただき結果を説明する際に、
抗体価を調べたはいいけど、自分の値が他と比較してどの程度なの?
といったようなご質問をうけることが多いです。そこで、そのあたりについて検証している論文を調べてみたところ、以下のようなものがみつかりました。論文が掲載されているのは『Nature(ネイチャー)』という超一流科学雑誌の系列誌です。
本論文2の主たる目的は、
白血病患者(免疫機能が低下してしまう)に対する、ファイザーおよびアストラゼネカワクチンの有効性を検討する
というものですが、白血病患者のワクチン後の抗体価測定を当院と同じECLIA法で行い、1回目後と2回目後でそれぞれ健常者と比較するというデータが含まれております。
ワクチン1回目投与後のECLIA法新型コロナSタンパク抗体価
ワクチン1回目接種後の抗体価は、健常者で中央値 41.6 U/mL、慢性リンパ性白血病患者で中央値 0.4 U/mLでした。
興味深いのは、コロナ感染後にワクチンを打つと、かなり高い抗体産生が得られる点です(赤丸、どちらの群も10000 U/mL超の抗体価の例が認められる)。
ワクチン2回目投与後のECLIA法新型コロナSタンパク抗体価
2回目接種後のECLIA法抗体価は、やはり桁(けた)が1ないし2違って健常者で中央値 3900 U/mL。高い方だと10万近い抗体産生を得られた例も認められております。
実際どれくらいの抗体価が必要なのか?
じゃあ結局、どれくらい抗体があれば十分なの?
これについては厳密な答えはいまのところない、としか言いようがないと考えられます。ただし、あくまでいち医師としての感触を述べさせていただくとするならば、
第5波では新規感染例の多くがワクチン未接種か、1回目のみ接種後であった
ことなどを鑑みた(かんがみた)場合、やはり2回目接種後相当の抗体価(ECLIA法で数千〜数万 U/mL程度)はあった方が安心なのかな、と推察(すいさつ)いたします。が、あくまで個人の推察です。
ご質問くださった皆さま、この度は当院HPをさらに充実させる機会を下さりありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
仙台宮城、福島県北の抗体検査費を調査
検査の価格(値段)が気になっている人も多いと思います。そこで当院では、仙台宮城、福島県北で抗体検査を行っている医療機関の価格調査を実施しました。
当院は安い方だと思いますが決して最安値ではありません。最安ではありませんが、院内感染対策のためゾーニング(動線分離)ができている医療機関です。
無症状で当院に抗体検査にお越しの方は、一般患者さま用の出入口をご利用いただくことで発熱患者さまと接触しないようにゾーニング(動線分離)しております。
ご存じのとおり、医療機関は新型コロナウイルスが最も集まりやすい場所です。抗体検査を受けにいって新型コロナウイルスに感染してしまっては本末転倒ですので、その点も含めて下記の価格調査記事をご覧ください。
まとめ
長々と書いてしまいましたが、要点は以下の3つです
- イムノクロマト法は手軽で検査結果がすぐ出るが、結果が数日かかるECLIA法の方が超正確
- 当院ではECLIA法を採用
- 当院は最安値ではないがゾーニング(発熱者の動線分離)を徹底したクリニック
検査費用
ロシュ・ダイアグノスティクス社のECLIA法 | 税込7,500円 |
なお、当院は発熱患者のゾーニング(動線分離)を行い、下記画像のとおり院内への出入口を2か所設けておりますので、発熱されている方でも抗体検査は可能です。
また、発熱等がなく「院内感染が心配」という方こそ安心して検査をお受けいただける数少ない医療機関の一つです。
【感染疑い患者さま】および【PCR・抗体検査】診察予約
※ 一般外来の患者さまは予約不要です。直接ご来院いただき、一般用入り口からお入りください。
※ 発熱外来の診療開始は午前10時からです。
以上
参考文献
- 1.Lou B, Li T-D, Zheng S-F, et al. Serology characteristics of SARS-CoV-2 infection since the exposure and post symptoms onset. Published online March 27, 2020. doi:10.1101/2020.03.23.20041707
- 2.Parry H, McIlroy G, Bruton R, et al. Antibody responses after first and second Covid-19 vaccination in patients with chronic lymphocytic leukaemia. Blood Cancer J. Published online July 2021. doi:10.1038/s41408-021-00528-x