こんばんは。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。
※当記事は文末「参考文献」を根拠としています
私事(わたくしごと)で恐縮ですが、私は臨床医であると同時に産業医・労働衛生コンサルタントとしての顔も持ちあわせております。担当している会社の従業員の皆さまの健康管理と、従業員の皆さまが安全に仕事をできるような労働環境づくりに関する診断、コンサルティングを行う国家資格です。
例えば工場で有害な化学物質を扱う仕事なら、有害物質による健康被害という職場にひそむリスクに対して、
- 労働衛生コンサルタント
→ 有害物質に曝露(ばくろ)されない、触れない、吸入しないで済むようなリスク低減措置(ていげんそち)を提案する - 産業医
→ 特殊健診や定期的な巡視、安全衛生委員会を通じて従業員の方の健康状態を管理、必要に応じて会社に部署の異動や休業などについて勧告(かんこく)する
ざっくりですがこんな感じの役割を負っています。では、リスク低減措置をとる際に重要なことは何か?
これは言うまでもなく、「リスクを過小評価しないこと」これにつきます。決して過小評価することなく、逆に
考えうる全てのリスクを見積も(みつも)って
↓
↓
↓
【さらにその上をいく対策】を用意する
従業員の皆さまの健康や安全を担保(たんぽ)する上で、これ以外の方法はありえません。私はいつもそのように考え産業医・コンサルタント業務を行っております。
これは、新型コロナのリスク管理についてもまったく同じことが言えます。医療機関というサービス業の職場で院内感染リスクから従業員を守るための措置(そち)をとるということには、クリニックそのものを感染症に対して強く設計し、安全な職場に作り上げることも当然含まれます。
そうすることで、結果的にそこに来る患者さまも同時に守ることができるわけです。
私がこのクリニックを設立しようとしたとき、コロナ渦によって建築の遅れがでていました。その遅れをいっそのこと逆手(さかて)にとって有効活用し、気道感染症の専門家である呼吸器専門医の目線で、当初の予定よりもさらに妥協のない二重三重(にじゅうさんじゅう)の院内感染対策を施す(ほどこす)時間にあてることといたしました。
と、眠たくなるようなつまんないイントロでしたが、このままのトーンで続けると皆さまが本当に寝てしまいかねないので、ここからはあの超ビッグタイトルアニメ映画をオマージュして、なるだけとっつきやすい感じで当院の感染対策の実際をご紹介したいと思います。
コ滅の呼吸(器専門医の感染対策)は三つの型からなります
結論から申し上げると、当院の院内感染対策はこの三つです
字面(じづら)だけだといまいち何のことだかわけがわかりませんので、一つずつ具体的に解説してまいります。
コ滅の呼吸(器内科)、壱ノ型
【動線分離】
これはいうまでもなく、以下の画像のように発熱患者さまと一般患者さまでそれぞれ別の出入り口を用意し、院内でそれぞれの動線が決して交ざらないようにするということです。
動線分離は感染対策の【一丁目1番地】
率直に言って、このコロナ渦のさなかで院内の動線が分かれていない医療機関は、院内感染リスクの低減がかなり難しいというのが現実です。そういったような医療機関さんだと、
- 手洗い頑張っています!
- 次亜塩素酸水で清掃頑張っています!
- 待合室ではソーシャルディスタンスのご協力に患者さまも頑張ってください!
のような「ガンバり」に自分たちや患者さまの安全を賭けることになりますが、頑張らないとコロナに感染しかねない状況というのは普通に危険だということです。「頑張る頑張らないに左右されることなく、物理的、科学的に感染しにくい環境をつくること」こそが大切です。
※もちろん手洗い消毒ディスタンスは大切ですので当然行うべきですが、動線分離などの物理的対策の上にプラスアルファで行うものであって、こういった頑張りだけに100%命運を賭けるのは正直リスキーが過ぎます
- 物理的に動線を分けられる構造であればそれがベスト。発熱外来用に敷地内にプレハブなどを作るのもGood
- それらが難しいようなら、発熱外来と一般外来の時間を完全に分け、時間的な動線分離を図る(はかる)のも一つの方法
- 最悪それも難しいなら、発熱患者さまの診察は行わないようにする方が院内でクラスターが発生してしまうよりはいくらもまし(その場合、患者さんには相談先などをしっかりアナウンスしてあげてください)
やや強い言い方になってしまいますが、それだけ動線分離というのは感染対策の一丁目1番地、キホンの「キ」ということであって、これを抜きにして院内感染対策というのはもはやかなり厳しいのです。
ただし、コロナ渦を想定して作ったのでなければ、わざわざコストや手間をかけてこんな構造で設計しようとはなかなか思いつかない話ではあるので、実際問題として動線分離だけでもできている既存クリニックというのは全国的にもそう多くありません。もしあなたの近所にそういったクリニックがあるようなら、かかりつけ医候補としてぜひ検討してみてください。
コ滅の呼吸(器内科)、弐ノ型
【陰圧隔離】
せめて動線分離だけでもできているクリニックなら、そうでないクリニックに比べれば院内感染リスクはだいぶ低減できると考えられます。また動線分離できているクリニックというだけでも相当に希少ですので、そういったクリニックが近所にあれば、それだけでもかなりラッキーといって差し支えないのではと思います。
私も当初は動線分離だけを実現しようと考えて設計を進めておりましたが、コロナの影響で資材の輸入に遅れが出たため、全体の工程が後ろ倒しになってしまっておりました。
そのような折、
新型コロナ、もしかすると空気感染するかもしれない・・・
という旨の論文が一部研究者からポツポツと発表されてくるようになりました。当初、こういった論文はプレプリントという、査読を経ていない論文(の下書きのようなもの)だけでしたが、その後もそういった報告はいくつも続き、現在では
新型コロナは空気感染がメインというエビデンス(証拠)がどんどん積み重なっている!
世界各国の保健機関は早く認識をあらためて空気感染対策しないと大変なことになるぞ!!
というように、世界や各国の保健機関(WHOや厚生労働省など)に強く警笛(けいてき)を鳴らすような論文が、サイエンス®1やランセット®2をはじめとした超一流科学誌に掲載されるようになってきました3–5。
そういった経緯もあって、従来の「コロナの感染様式は接触感染+飛沫感染が主である」という世界の共通認識が覆る(くつがえる)ほどではないにせよ、WHOや一部の行政機関が条件付き※で
新型コロナは空気感染に準じた対策が必要
と認めざるを得ないような状況になっております。
専門家として、中途半端な対策で患者さまを危険に曝す(さらす)わけにはいかない
手前味噌(てまえみそ)ながら私は呼吸器専門医で、新型コロナも含め気道感染症の専門家です。こういった情報には目を光らせ、同じ専門家の間でどういった考え方が主流になりつつあるのかについて、常に世界の最先端から離れないように心がけております。
飛沫感染と接触感染だけなら、動線分離で対応は可能・・・
けれど空気感染も防ごうとなったら陰圧室が必要で大がかりな設計変更が必要になるし、正直なところ費用も大変なことになる🥺🥺
クリニックレベルなら動線分離だけでも十分すぎるほどの対策だとは思う🤔
専門の大病院でもあるまいし、陰圧室など空気感染対策までは手を出さなくともいいんじゃないかな・・・
ただここのところ、世界の超一流科学誌にも次々とコロナの空気感染に関する論文が掲載されているし、WHOなども条件付きとは言え空気感染対策の必要ありと認めるようになっている・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
このコロナ渦でせっかくゼロからクリニックを立ち上げるのに、空気感染には目をつぶって見えないふりをして、妥協してしまってほんとにいいのか??
呼吸器専門医のはしくれとして、必要な対策はわかっているのに、費用がかさむからとそれを敢えてやらないで、患者さまに「うちは安全なクリニックです」と胸を張って言えるか??
産業医/労働衛生コンサルタントとして「リスクを過小評価せず、最大限リスクを見積もって、更にその上をいく対策をしましょう」とか担当する会社にいつも言ってるくせに、自分のクリニックでは日和って(ひよって)それをやらないで、中途半端なままで本当に納得できるか???
・・・・・・・・・・・・・・・
やっぱり、専門医として、コンサルタントとして、中途半端な妥協はやめよう。
すべてのリスクを織り込んで、さらにそれを凌駕(りょうが)する対策をやってやろう。
どうせやるなら、今後いかなる感染症が流行しようとも患者さまや自分たちを守れる、感染対策にかけて日本で一番安全なクリニックにしてやろう。
もちろん多分に脚色(きゃくしょく)や茶番(ちゃばん)を含みますが、そんなこんなで院内感染対策に1ミリも手を抜かないクリニックを作ることに決めました。
建築会社や空調業者とも検討に検討を重ねて設計の大変更を行い、どこに出しても恥ずかしくない感染防御の性能をクリニックに持たせました。
空気の壁でウイルスを隔離
くりかえしになりますが、動線分離ができているだけでも、それができていない医療機関に比べれば安全対策に相当に気をつかっていると判断して間違いはありません。
新型コロナが従来の認識どおりに飛沫感染と接触感染しかしないのであれば、動線分離と標準的な対策(マスク消毒ディスタンス)で対応は可能です。
が、しかし、今やこれだけコロナの空気感染に関する論文があいつぎ、条件付きとは言えWHOや各国の保健機関も空気感染用の対策が必要と認めている状況です。また実際問題として、空気感染するのでなければ成立しないようなクラスター発生の報告6,7も少なくありません。
新型コロナウイルスに関して、飛沫感染と接触感染しか見ないようにして空気感染に無防備なままでいるより、空気感染「も」考慮に入れた対策をする方がリスク管理上は間違いありません。これはどう考えたってそうです。
大切な患者さまや従業員たちを守らなくてはならないというときに、リスクを過小評価してしまい「結果だめでした」では取り返しがつきません。専門家であるからこそ、リスクはめいっぱいのいっぱいいっぱいに見積もって、さらにその上をいく対策をとるしか安全を確保する方策(ほうさく)はないのだと思います。
一部研究者らの主張のように空気感染がメインかどうかまではわかりませんが、出てきているエビデンスの数々から判断するに、1 mやそこらで地面に落ちてしまう大きな飛沫「だけ」ではなく、もっと小さなしぶきの状態でしばらく空気中に浮遊(ふゆう)し、空調などに乗って遠く離れた人に吸い込まれてしまい感染する(空気感染)ケースも一部存在すると考える方が自然です。
(参考)スパコン「富岳」による飛沫のシミュレーション
空気感染がメインかどうかはともかくとして、少なくとも飛沫感染と接触感染「しか」対策しないことは、リスクを放置していることと同義(どうぎ)と考えます。
では、空気感染が一部あると考えたときに、動線分離だけではどうして不十分なのか?
動線分離で物理的な壁によってディスタンスを稼いだとしても、
- 壁やドアの隙間からウイルスが漏れ出てきてしまう
- ドアを開けたときにウイルスの含まれる空気が他の部屋に大量に流れ込んできてしまう
というのは理解しやすいかと思います。空気感染するのであれば、空気の動線も分離してやる必要があるわけで、そこで必要になってくるのが陰圧室です。以下の画像をご覧ください↓
当院では、完全に動線分離ずみの発熱外来ゾーンを、周囲に比べて陰圧化(つねに気圧を低く制御)しております。空気は気圧の高い方から低い方に流れるという性質を利用することで、壁や扉の小さな隙間からウイルスが漏れ出ていくことはなく、仮に扉を開けてもこの↓動画のように、陰圧室内のウイルスを含む空気が逆にはね返されて戻ってきます。これがいわば空気の動線分離、もっと言えばウイルスの動線分離です。
スモークテスト陰圧側
陽圧になっている外側(前室側)から、発熱患者さまの入る陰圧診察室側へ常に流れ込む気流が発生し、煙がはね返されて戻ってくる。ウイルスを含む陰圧室側の空気は一般側ゾーンにもれない。
スモークテスト陽圧側
逆側から撮影した映像。扉を開けると陽圧側から陰圧診察室側へ煙が吸い込まれる様子が確認できる。
ウイルスを含む空気が外側にもれるような、逆方向の気流は生じない。
通常、陰圧室を備えているのは呼吸器科や感染症科の専門機関である大病院だけで、クリニックレベルでこんなものを作ろうとするのは、平時においては正気の沙汰(しょうきのさた)ではありません。しかしこのコロナ渦の中で、妥協なく患者さまや自分たちを院内感染から守ろうとしたときに、陰圧隔離できることが呼吸器専門医である私の目には不可欠に映り(うつり)ました。
無症候感染者に対してはこれだけでは不十分
ここまでの【動線分離】と【陰圧隔離】があれば、「発熱外来の患者さま →→→ 一般外来側の患者さま」への院内感染が起こる可能性を限りなく低くできることになります。
しかし、考えてみれば当たり前ですが、これは感染した人がそのとおり発熱外来ゾーンに入ってくれた場合のみ有効な対策です。
ここでさらに織り込まなくてはならないリスクが、コロナに感染しているのに熱もせきも何も症状がなく、本人も気がついていない「無症候感染者(むしょうこうかんせんしゃ)」についてです。当然本人も気がついていないわけですので、定期の受診などの際には一般外来側に入ってこられることでしょう。
熱があって検温で気がつけばまだいいですが、本当に熱も何もない状態だと入口で選別することは不可能です。
無症状なので本人のウイルス量は少ないと考えられるとはいえ、待合室の中で長い間一緒にいてしまえば、いくらマスク消毒ディスタンスをとろうとも、同じ空気を吸ったり吐いたりすることで感染してしまうリスクが高まります。
当然、呼吸器専門医としてこの対策も抜かりなく行う必要があります。
コ滅の呼吸(器内科)、参ノ型
【七回換気】
壱ノ型【動線分離】と弐ノ型【陰圧換気】が発熱外来用の感染対策であるのに対して、参ノ型【7回換気】は一般外来内部での院内感染すら防ぐことを目的としたものです。
喘息やCOPD、睡眠時無呼吸症候群や糖尿病などで定期通院している患者さまにとっては、実はこの【7回換気】がもっとも重要な対策ということになります。
1時間で7.3回、空気が完全にいれかわる「鬼」の換気性能
一般外来待合室での、無症候感染者からの空気感染をどう防ぐか?
これはもう単純明快で、
ウイルスに汚染された空気を換気して早く取り除く
これしか有効な手立てはありません。じゃあどれくらい換気すれば十分なのか?
これはWHOが明確に基準を出しており、
- エアロゾルの発生するような処置(鼻咽頭拭い液の採取や胃カメラなど)を行う場所では時間12回以上
- そうでない場合は時間6回以上
となっております。当院の場合は、
場所 | 時間あたりの換気回数 (回/時間) |
---|---|
陰圧診察室(鼻咽頭ぬぐい液の採取も行う) | 12.4 |
一般外来の待合室 | 7.3 |
となるよう換気計算を行い、必要な性能を持たせております。対して日本の建築基準法では、最低換気回数は時間あたり0.5回で十分と定めております。時間6回以上の換気というのは法律の10倍以上の性能を要求されていることになるわけで、あえて特別な目的で作られた建物でない限りは、日本国中のほとんどのクリニックを含めここまでの換気ができるようにはなっておりません。
空気の清浄さをCO2モニタリングで常時確認
実際に換気回数が6回以上なのはわかった。でも、時間6回の換気で本当に待合室での空気感染を防げるという根拠は?
当然、こういった疑問をいだく方もおられると思います。私でもそう思います。これについては、以下の台湾からの論文が参考になるでしょう。
結核菌(ザ・空気感染の代表みたいな菌)のクラスターが発生した台湾の大学で、対策として換気性能の向上をはかり、換気効率のモニタリングとしてCO2濃度を用いたところ、CO2濃度 < 1000 ppmでは結核菌のクラスター発生を97%抑制できた8。
ヒトが呼吸すると酸素を消費し、かわりに吐き出された二酸化炭素(CO2)が空気中にたまっていくことになります。同じ部屋の中にコロナの無症候感染者がいた場合、その人が吐き出した空気の中にウイルスが含まれることになりますが、
待合室のCO2濃度が高い
= 待合室にいる人たちの吐いた息がたまっている
=(待合室にコロナの無症候感染者がいた場合)空気中のウイルス濃度が高い
という理屈となり、目には見えない空気中のウイルス量を間接的に把握(はあく)する手段として、CO2濃度のモニタリングが有効です。それを踏まえて、新型コロナどころではなくガッツリ空気感染することで有名な結核菌ですら、CO2濃度 < 1000 ppmでは感染を抑制できた8ということです。
WHOでは更にそれより一歩進んで、CO2濃度 < 800 ppmを目標にするのがより安全性が高いと発表するようになっております。
当院でも以下のように待合室のCO2濃度を常時モニタリングし、サイネージにリアルタイムで表示し患者さまに空気感染リスクの低さを「見える化」しております。
1時間で7.3回、外気と完全に入れ替わる換気性能に偽り(いつわり)なく、待合室内のCO2濃度は診療時間を通して400 ppm強〜混雑時でも600 ppm程度をキープしております。
外気のCO2濃度が400 ppmを少し超える程度です。待合室内は通常程度の混み具合では外にいるのと同じくらい清浄な空気で満たされ、かつ混雑時でもWHOの基準に照らして十分に低感染リスク状態をキープしています。
まとめ
ここまでご紹介してきたとおり、当院は
発熱外来用の対策 | 【動線分離】+【陰圧隔離】 |
一般外来での対策 | 【7回換気(CO2モニタリング)】 |
これら専門医による三重(さんじゅう)の対策を組み合わせ、一般患者さま、発熱患者さまともに全ての患者さまを対象とした院内感染リスク低減を図って(はかって)おります。そういうわけで、当院の一般外来ゾーンは真の意味での
グリーンゾーン
です。
当院は呼吸器内科、内科を広く診療する医療機関であり、気管支喘息やCOPD、高血圧や糖尿病など、新型コロナウイルス重症化の要因となる基礎疾患をかかえた患者さまが多く通われる場所です。今後とも皆さまに可能な限り安心・安全な場を提供させていただくべく、院長以下従業員一同、感染対策には1ミリの妥協も許さずに精進してまいります。
以上
【感染疑い患者さま】および【PCR・抗体検査】診察予約
※ 一般外来の患者さまは予約不要です。直接ご来院いただき、一般用入り口からお入りください。
※ 発熱外来の診療開始は午前10時からです。
参考文献
- 1.Prather KA, Marr LC, Schooley RT, McDiarmid MA, Wilson ME, Milton DK. Airborne transmission of SARS-CoV-2. Sills J, ed. Science. Published online October 5, 2020:303.2-304. doi:10.1126/science.abf0521
- 2.Greenhalgh T, Jimenez JL, Prather KA, Tufekci Z, Fisman D, Schooley R. Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2. The Lancet. Published online May 2021:1603-1605. doi:10.1016/s0140-6736(21)00869-2
- 3.Morawska L, Milton DK. It Is Time to Address Airborne Transmission of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19). Clinical Infectious Diseases. Published online July 6, 2020. doi:10.1093/cid/ciaa939
- 4.Allen JG, Ibrahim AM. Indoor Air Changes and Potential Implications for SARS-CoV-2 Transmission. JAMA. Published online April 16, 2021. doi:10.1001/jama.2021.5053
- 5.Tang JW, Marr LC, Li Y, Dancer SJ. Covid-19 has redefined airborne transmission. BMJ. Published online April 14, 2021:n913. doi:10.1136/bmj.n913
- 6.Li Y, Qian H, Hang J, et al. Probable airborne transmission of SARS-CoV-2 in a poorly ventilated restaurant. Building and Environment. Published online June 2021:107788. doi:10.1016/j.buildenv.2021.107788
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- 8.Du C, Wang S, Yu M, et al. Effect of ventilation improvement during a tuberculosis outbreak in underventilated university buildings. Indoor Air. Published online January 16, 2020:422-432. doi:10.1111/ina.12639