お急ぎの方へ
- 手足口病・ヘルパンギーナはエンテロウイルスの夏かぜ。ほとんどは数日でよくなり、熱や口の痛みは薬でやわらげられる
- いちばんの注意点は、口の痛みで飲めないことによる脱水。見るのは熱の高さより「飲めているか・おしっこが出ているか」
- ぐったり、強い頭痛、何度も吐く、けいれん、半日以上おしっこが出ないときは夜でも受診。けいれん5分以上などは119番
おはようございます。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。
今年(2026年)も、例年どおり5月ごろから手足口病(てあしくちびょう)とヘルパンギーナの報告が増え、国の感染症週報で「注目すべき感染症」として取り上げられました[1]。7月はじめの時点で、流行の規模は例年並みで、大きな流行は確認されていません[1]。ただ、流行のピークは夏でも、秋から冬にかけて少し発生が続くのが手足口病の特徴です[1]。熱が出て、口の中を痛がって、ごはんも飲み物も受けつけない。そんなお子さんを前に、どうしたらよいか迷うご家庭は多いと思います。
結論から申し上げると、この2つの病気でいちばん気をつけたいのは、口の中が痛くて飲めないことによる脱水(だっすい:体の水分が足りなくなること)です。熱の高さや発疹(ほっしん)の数よりも、「飲めているか、おしっこが出ているか」を見てください。
本記事では、手足口病とヘルパンギーナの特徴、しみにくい水分のとり方、まれな合併症のサイン、大人への感染、便からのウイルス排泄、登園の目安を、論文のデータもまじえて解説します。
2026年10月4日から、日曜・祝日も発熱外来を行っています
10時〜15時(昼休みなし)。予約は不要で、当日チェックインで受け付けます。PCR検査は当日中に結果をお伝えします。日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。10月25日(日)は休診で、11月からは原則として毎週日曜日と祝日です。日曜・祝日の発熱外来のお知らせ
【結論】見るのは熱の高さより「飲めているか・おしっこが出ているか」
先にざっくり、受診の線引きをまとめます。
- 【おうちで様子を見てOK】
熱や口の痛みはあっても、少しずつ水分がとれていて、おしっこがいつもどおり出ている。あやすと笑う、眠れている - 【日中に受診(その日か翌日)】
口が痛くて飲む量が明らかに減っている、おしっこの回数が減ってきた。熱が長引く(手足口病で2日以上[1]。ヘルパンギーナの熱はふつう2〜4日で下がるので[2]、それより長引くとき)、食べられない日が続く、発疹がひどい - 【夜でも受診】
水分をまったく受けつけない、半日以上おしっこが出ていない、唇や口の中がカラカラで泣いても涙が出ない。ぐったりして反応が鈍い、頭をひどく痛がる、何度も吐く、けいれんがあった、顔色が悪い・呼吸が苦しそう、生後3か月未満で38℃以上の熱 - 【119番】
けいれんが5分以上続く、呼びかけに反応しない、呼吸がとても苦しそう
迷ったときは、子ども医療電話相談(#8000)で相談できます。
手足口病とヘルパンギーナとは【どちらもエンテロウイルスの夏かぜ】
どちらも、エンテロウイルス属(ぞく)というウイルスの仲間が原因の、いわゆる「夏かぜ」です[1][2]。手足口病はコクサッキーウイルスA16・A6・A10やエンテロウイルス71など、ヘルパンギーナは主にコクサッキーウイルスA群が原因です[1][2]。原因ウイルスが何種類もあるため、一度かかっても、別のウイルスで何度でもかかります[3]。
2つの違いをざっくり表にまとめます。
| 手足口病 | ヘルパンギーナ | |
|---|---|---|
| 潜伏期間(うつってから症状が出るまで) | 3〜5日[1] | 2〜4日[2] |
| 熱 | 出るのは約3人に1人で、38℃以下のことがほとんど[1] | 突然の高い熱(38〜40℃)で始まり、2〜4日ほどで下がる[2] |
| 口の中 | 口の前のほうに水ぶくれや小さな潰瘍(かいよう:粘膜がえぐれた傷)[1][2] | のどの奥の上側(軟口蓋〈なんこうがい〉のあたり)に1〜5mmの水ぶくれ、やがて浅い潰瘍[2] |
| 手足の発疹 | 手のひら、足の裏、足の甲に2〜3mmの水ぶくれ。肘、膝、おしりに出ることも[1] | なし[2] |
| かかりやすい年齢 | 2歳以下が半数[1] | 5歳以下が90%以上、1歳代がいちばん多い[2] |
| 治るまで | 3〜7日。水ぶくれはかさぶたにならない[1] | 熱は2〜4日、口の発疹はやや遅れて消える[2] |
実は、手足口病では熱が出ない子のほうが多いです[1]。一方ヘルパンギーナは、突然の高い熱で始まり、熱性けいれんを起こすことがあります[2][3]。熱が高いか低いかで重い・軽いは決まりません。見るべきは、このあとお話しする「飲めているか」です。
手足口病のあとに爪がはがれることがあります
近年多いコクサッキーウイルスA6の手足口病では、発疹が大きめで、水ぼうそうと間違えられるほど広く出ることがあります[1][3]。さらに、発症から数週間後に爪がはがれる「爪甲脱落症(そうこうだつらくしょう)」が報告されています[1][3]。びっくりしますが、手足口病のあとに起こることが知られている現象です。気になるときは、受診の際にご相談ください。
いちばんの注意点は脱水【口の中が痛くて飲めない】
手足口病もヘルパンギーナも、ほとんどは数日でよくなる病気です[1][2]。治療は、熱や口の痛みなどの症状をやわらげる対症療法(たいしょうりょうほう)が中心です[1][2]。
ではなぜ受診が必要になるかというと、口の中の痛みで飲めなくなり、脱水になるからです。ヘルパンギーナでは、口の痛みのために不機嫌、拒食(きょしょく:食べるのを嫌がる)、哺乳障害(母乳やミルクが飲めない)、それによる脱水が起こることがあります[2]。手足口病の解説でも、「何よりも水分不足にならないようにすることが最も重要」とされ、ときには点滴が必要になります[1]。
オーストラリア・メルボルンの小児救急外来で、口内炎で飲めなくなった生後6か月〜8歳の子ども100人を調べた比較試験があります[4]。対象は、手足口病やヘルペス性の口内炎などで、おうちで水分がとれなくなった子どもたちです[4]。その二次解析では、受診した時点で72%が軽い脱水、5%が中等度の脱水でした[4]。「口が痛くて飲めない」だけで、これだけの子どもが脱水になっているということです。
この試験では、口の中にぬる局所麻酔薬(きょくしょますいやく:ぬった場所の感覚をにぶらせる薬。2%リドカイン)と、偽薬(ぎやく:有効成分の入っていないもの)を比べました[4]。薬を使ってから1時間に飲めた量の中央値(ちょうど真ん中の人の値)は、体重1kgあたりリドカインで8.49mL、偽薬で9.31mLと差がありませんでした[4]。これはオーストラリアの救急外来で行われた試験で、国や医療機関によって使う薬や方針は異なります。ただ、この試験では、口にぬる麻酔の薬で飲める量が増えるという結果は得られませんでした。痛みが強いときは医師に相談し、付き添って少しずつ飲ませることが基本になります。
脱水のサイン
- おしっこの回数が減る、色が濃い(半日以上出ていなければ夜でも受診)
- 唇や口の中がカラカラに乾いている、泣いても涙が出ない
- ぐったりしている、目がくぼんでいる
- 手足が冷たい、顔色が悪い
脱水が進むと、飲ませても吐いてしまい、飲めない→脱水→飲めない、の悪循環になります。そうなる前に、飲む量が減ってきた段階で受診してください。
水分のとり方【しみない物を少しずつ】
口の中に傷があると、しみる物は嫌がって飲みません。コツは「しみない物を、少しずつ、回数を多く」です。
- 【温度】
冷たいか常温のもの。熱いものはしみます - 【味】
薄味で、すっぱくない、しょっぱくないもの。麦茶、水、経口補水液(けいこうほすいえき)、牛乳、冷ましたスープなど - 【のどごし】
ゼリー、プリン、ヨーグルト、アイス、冷ましたおかゆ、豆腐、茶わん蒸しなど、やわらかくて薄味のもの[1] - 【避けたいもの】
オレンジジュースなどの柑橘(かんきつ)類、炭酸、味の濃いもの、熱いもの、せんべいなどかたいもの - 【与え方】
スプーン1杯、スポイト、ストローで少しずつ。一気に飲ませると吐きやすいので、回数を多くします[1]
「ごはんを食べない」ことは、数日なら心配いりません。食べるより飲むことを優先してください。アイスやプリンは、水分と糖分が同時にとれるので、この病気のときは立派な食事です。
痛み止めを使って飲ませる
痛みが強くて飲めないときは、処方されたアセトアミノフェンを使って、痛みがやわらいだところで飲ませるのも一法です。ヘルパンギーナの解説でも、発熱や頭痛に対してアセトアミノフェンなどを用いることがあるとされています[2]。
子どもの量は体重で決まるので、処方された薬(座薬〈ざやく〉を含む)は説明どおりの量と間隔で使います。市販の子ども用の薬は、説明書の対象年齢と用量を必ず守ってください。大人用の市販薬や、きょうだいの薬を使うのはやめましょう。生後3か月未満の赤ちゃんには、自己判断で使わず、まず受診してください。
吐いてしまって水分がとれないときの飲ませ方は、子どもが発熱と嘔吐で飲めないときの記事にくわしく書いています。
院長蒲生口が痛くて泣いている子に、少しずつ飲ませるのは根気のいる作業です。それでも、スプーン1杯ずつの積み重ねが、いちばんの治療になります。
まれな合併症【髄膜炎・脳炎のサインは頭痛・嘔吐・ぐったり・けいれん】
どちらの病気も、まれに髄膜炎(ずいまくえん:脳を包む膜の炎症)や脳炎を合併することがあります[1][2][3]。髄膜炎では発熱に加えて頭痛や嘔吐(おうと)が、脳炎ではけいれんや意識障害が出ます[3]。ヘルパンギーナでは、急性心筋炎(しんきんえん:心臓の筋肉の炎症)の報告もあります[2]。
どれくらいまれなのか、数字を見てみましょう。中国で2008〜2012年に報告された手足口病の疑い例7,200,092人(約720万人)を調べた研究があります[5]。心臓・肺や神経の重い合併症を起こしたのは82,486人(1.1%)、亡くなったのは2,457人(0.03%)でした[5]。検査で確定した死亡例の93%は、エンテロウイルス71によるものでした[5]。
つまり、重い合併症は100人に1人程度で、ウイルスの種類によっても違うということです。ただし、これは重症例の多い中国のデータです。国内では重症化する例はそれほど多くないとされています[6]。国や流行しているウイルスによって状況は異なります。
「熱が長引く」「ぐったり」は神経への波及のサイン
では、どんな子に注意すればよいのでしょうか。マレーシア・サラワク州で2000〜2006年に入院した手足口病の子ども725人を調べた研究があります[7]。そこでは、熱が合計3日以上続く、最高体温が38.5℃以上、元気がない(ぐったり)の3つが、神経への波及の危険因子として見つかりました[7]。
別の子どもたちで確かめたところ、髄液(ずいえき:脳と脊髄〈せきずい〉を包む液)の検査で神経への波及が疑われた250人のうち、65%がこの3つのうち2つ以上にあてはまりました[7]。波及がなかった186人では30%でした[7]。オッズ比(起こりやすさを比べた倍率)は4.27、95%信頼区間(本当の値がほぼ収まる範囲)は2.79〜6.56です[7]。
日本の手足口病の解説でも、元気がない、頭痛、嘔吐、高い熱、2日以上続く熱は、髄膜炎・脳炎への進展に注意すべきとされています[1]。ヘルパンギーナでは、熱に加えて頭痛や嘔吐があるときに髄膜炎に注意します[2]。次のサインが1つでもあれば、夜間・休日でも朝を待たずに受診してください。
- ぐったりして反応が鈍い、起こしても起きない、目が合わない
- 頭をひどく痛がる、何度も吐く、首を前に曲げると痛がる
- けいれんがあった(5分以上続く、くりかえす、止まっても意識が戻らないときは119番)
- 顔色が悪い、唇が紫っぽい、呼吸が苦しそう、脈がとても速い
- 水分をまったく受けつけない、半日以上おしっこが出ていない
- 生後3か月未満で38℃以上の熱がある(元気そうに見えても受診してください)
けいれんが5分以上続く、呼びかけに反応しない、呼吸がとても苦しそうなときは、迷わず119番です。はじめてのけいれんは、短時間でおさまっても夜間でもその場で受診してください。判断に迷うときは#8000に相談できます。
大人もかかります【家族の中でうつる】
手足口病やヘルパンギーナは子どもの病気と思われがちですが、大人もかかります。学童以上の多くはすでにこれらのウイルスにかかったことがあるため、大人の発症は多くはなく、男性に多い傾向があります[1]。
ただし、原因ウイルスは何種類もあるため、一度かかった人でも別のウイルスには何度でもかかります[3]。大人も同じです。それでも、看病しているお母さん・お父さんが、数日後に口の痛みや手足の発疹で「うつった」と気づくことはあります。大人で手のひらや足の裏が痛い、口の中に潰瘍ができたというときは、お子さんの病気を医師に伝えて受診してください。
うつる経路は、せきやくしゃみのしぶき(飛沫〈ひまつ〉)、水ぶくれの中身や便にふれた手、そしてその手で口にふれることです[1][2]。看病中は、おむつ交換や鼻をふいたあとの手洗いを徹底し、タオルやコップの共用を避けてください[1][3]。
ウイルスは便から長く出ます【治ってから2〜4週間、ときにそれ以上】
この病気で知っておいてほしいのが、ウイルスが便から長い期間出続けることです。症状が消えたあとも、2〜4週間は便からウイルスが出て、感染源になりえます[1][2]。保育所のガイドラインでは、便からは数週〜数か月間ウイルスが排出される、とさらに長めに書かれています[3]。資料によって幅はありますが、「治ってから1か月前後、ときにそれ以上」と覚えておけばOKです。
中国で、手足口病(エンテロウイルス71)の患者34人の便とのどを追跡した研究があります[8]。ウイルスの遺伝子が検出された期間は、のどで最長24日、便で最長42日でした[8]。便では、発症から37〜40日の時点でもおよそ20%の人に検出されました[8]。
だからといって、1か月以上お休みさせる必要はありません。症状がなくなっても、おむつ交換後と排便後の手洗いを続けることが、家族や園でのひろがりを防ぐ現実的な方法です[1][3]。
登園・登校はいつから?【一律の出席停止はありません】
保育所の登園の目安は、こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」に示されています[3]。手足口病もヘルパンギーナも、登園のめやすは「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」です[3]。
ガイドラインは、感染をひろげないために登園を控えることは「有効性が低く、ウイルス排出期間が長いことからも現実的ではない」としています[3]。そのうえで、熱やのどの痛み、下痢がある、食べられないときは登園を控え、全身状態が安定してから再開する、という考え方です[3]。この2つの病気は、医師の診断を受けて保護者が「登園届」を書くことが考えられる感染症に挙げられていますが、一律に提出が必要なものではありません[3]。園によって扱いが違うので、通っている園に確認してください。
小学校以上では
学校保健安全法施行規則では、手足口病もヘルパンギーナも、出席停止の期間が決められている第一種・第二種感染症には含まれていません[1][6]。流行の状況によっては、学校医と校長の判断で第三種の「その他の感染症」として扱われることがあります[1][2]。
日本学校保健会の解説では、本人の全身状態が安定していれば登校(園)は可能とされています[6]。流行を止める目的の登校停止は有効性が低く、ウイルス排出期間が長いことからも現実的ではない、という考え方です[6]。ざっくり言えば、「熱が下がって、ふつうに食べられるようになったら登園・登校してOK」です。
当院の発熱外来について
当院は夜間の診療は行っていません。木曜も休診です。夜のあいだに危ないサインがあれば、#8000や夜間・休日の診療所、救急外来をご利用ください。
「熱と口の痛みで飲めなくなってきた」「手足の発疹がこれでいいのか見てほしい」というときは、当院の発熱外来でご相談ください。当院は、発熱外来の受診をお断りしない方針です(症状によっては、より適した医療機関をご案内することがあります)。
| 曜日 | 時間 |
|---|---|
| 月・火・水・金・土 | 9:00〜12:00/14:00〜18:00 |
| 日曜・祝日(2026年10月4日から) | 10:00〜15:00(昼休みなし・発熱外来のみ) |
| 木曜 | 休診 |
日曜・祝日は、10月25日(日)は休診で、11月からは原則として毎週日曜日と祝日に行います。くわしくは日曜・祝日の発熱外来のお知らせをご覧ください。
受診の流れ(予約は不要です)
- 事前問診(任意)→ 発熱外来入口のQRコードで当日チェックイン(必須)→ お車で待機 → SMSまたはお電話でお呼び出し
- 日曜・祝日は、チェックイン後に一般外来入口で保険証(マイナ保険証・資格確認書など)の確認があります
- くわしい手順は発熱外来の事前問診・当日チェックインについてをご覧ください
なお、日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。水分がまったくとれずぐったりしているなど、点滴が必要になりそうなときは、点滴ができる医療機関を受診してください。
受診のときは、次のことを伝えるとスムーズです。
- いつから熱と口の痛みがあるか
- この半日で飲めた量と、おしっこの回数
- 発疹がどこに出ているか(手のひら、足の裏、おしり、口の中など)
- 保育園・幼稚園・学校で同じ病気がはやっているか、家族に同じ症状の人がいるか
- 使った薬と、その時刻
よくある質問(FAQ)
- 熱は下がったのに、口が痛くてごはんを食べません。受診したほうがいいですか?
-
水分が少しずつとれていて、おしっこがいつもどおり出ていれば、数日ごはんを食べなくても心配いりません。ゼリーやプリン、アイスなど、しみないもので水分と糖分をとらせてください。飲む量が明らかに減ってきた、おしっこの回数が減ってきたときは、その日か翌日に受診してください。
- 口の中にぬる麻酔の薬を使えば、飲めるようになりますか?
-
オーストラリアの救急外来の比較試験では、口にぬる局所麻酔薬(2%リドカイン)を使っても、偽薬と比べて飲めた量に差はありませんでした[4]。国や医療機関によって方針は異なります。痛みが強いときは医師にご相談ください。処方されたアセトアミノフェンで痛みをやわらげ、付き添ってスプーン1杯ずつ飲ませるのが基本です。
- 手足口病ですが熱はありません。保育園に行かせてもいいですか?
-
保育所のガイドラインでは、登園のめやすは「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」です[3]。発疹があるだけで、ふつうに食べられていれば登園できる考え方です。登園届が必要な園もあるので、通っている園に確認してください。
- 看病していた私(大人)も口が痛くなり、手に発疹が出ました。うつったのでしょうか?
-
大人もかかります。かかったことのないウイルスには大人も免疫がなく、看病中に家族内でうつることは結構あります[1][3]。口の中の潰瘍や手足の発疹がつらいときは、お子さんの病気のことを伝えて受診してください。症状が落ち着いても、便からは数週間ウイルスが出るので、トイレ後の手洗いを続けてください[1][2]。
- きょうだいにうつさないために、お風呂はどうすればいいですか?
-
うつる経路は、せきやくしゃみのしぶき、水ぶくれの中身や便にふれた手です[1][2]。お風呂を別にするより、タオルやコップの共用を避け、おむつ交換や排便後の手洗いを徹底することが大切です[1][3]。原因ウイルスが複数あるため、同じ家庭内で別のウイルスに続けてかかることもあります[3]。
- 日曜・祝日に、口が痛くて飲めない子どもを発熱外来に連れて行けますか?
-
はい。日曜・祝日の発熱外来は10時〜15時で、10月25日(日)は休診、11月からは原則として毎週日曜日と祝日に行います。予約は不要で、当日チェックインで受け付けます。ただし、日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。水分がまったくとれずぐったりしているなど、点滴が必要になりそうなときは、点滴ができる医療機関を受診してください。
まとめ【口が痛くて飲めない→脱水に注意。危ないサインは夜でも受診】
- 手足口病・ヘルパンギーナはエンテロウイルスの夏かぜ。ほとんどは数日でよくなり、熱や口の痛みは薬でやわらげられる
- いちばんの注意点は、口の痛みで飲めないことによる脱水。見るのは熱の高さより「飲めているか・おしっこが出ているか」
- 水分は、冷たくて薄味でのどごしのよいものを、少しずつ回数を多く。アセトアミノフェンで痛みをやわらげて飲ませるのも一法
- ぐったり、強い頭痛、何度も吐く、けいれん、半日以上おしっこが出ないときは夜でも受診。けいれん5分以上などは119番
- 大人もかかる。便からは治ってから2〜4週間ウイルスが出るので、おむつ交換・排便後の手洗いを続ける
- 登園のめやすは「熱や口の痛みの影響がなく、普段の食事がとれること」。出席停止の期間が決められた病気ではない
口の中を痛がって泣くお子さんに、少しずつ飲ませるのは本当に大変です。「しみない物を少しずつ」と「夜でも受診すべきサイン」、ざっくりこれだけ押さえておけばOKです。飲めなくなってきたら、遠慮なく私達を頼ってください。
以上
免責事項
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。記載内容は公開時点の医学的知見に基づいていますが、お一人おひとりの状態によって適切な対応は異なります。症状にご不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト. 手足口病(2025年7月24日更新). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/hand-foot-mouth-disease/index.html / 手足口病(詳細版)(2014年10月17日改訂). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/hand-foot-mouth-disease/detail/index.html / IDWR 2026年第26号〈注目すべき感染症〉手足口病・ヘルパンギーナ(2026年7月1日現在). https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/featured/2026/26/index.html
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト. ヘルパンギーナ(2025年8月28日更新). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/herpangina/index.html / ヘルパンギーナ(詳細版)(2014年7月23日改訂). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/herpangina/detail/index.html
- こども家庭庁. 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)(2023年5月一部改訂・2023年10月一部修正). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/20231010_policies_hoiku_25.pdf
- Hopper SM, McCarthy M, Tancharoen C, Lee KJ, Davidson A, Babl FE. Topical lidocaine to improve oral intake in children with painful infectious mouth ulcers: a blinded, randomized, placebo-controlled trial. Ann Emerg Med. 2014 Mar;63(3):292-9. doi:10.1016/j.annemergmed.2013.08.022 PMID: 24210368
- Xing W, Liao Q, Viboud C, Zhang J, Sun J, Wu JT, et al. Hand, foot, and mouth disease in China, 2008-12: an epidemiological study. Lancet Infect Dis. 2014 Apr;14(4):308-318. doi:10.1016/S1473-3099(13)70342-6 PMID: 24485991
- 公益財団法人日本学校保健会. 学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉. 2024年3月. https://www.gakkohoken.jp/books/archives/273 / 本文PDF: https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_R050080/data/670/src/670.pdf
- Ooi MH, Wong SC, Mohan A, Podin Y, Perera D, Clear D, et al. Identification and validation of clinical predictors for the risk of neurological involvement in children with hand, foot, and mouth disease in Sarawak. BMC Infect Dis. 2009 Jan;9:3. doi:10.1186/1471-2334-9-3 PMID: 19152683
- Han J, Ma XJ, Wan JF, Liu YH, Han YL, Chen C, et al. Long persistence of EV71 specific nucleotides in respiratory and feces samples of the patients with Hand-Foot-Mouth Disease after recovery. BMC Infect Dis. 2010 Jun;10:178. doi:10.1186/1471-2334-10-178 PMID: 20565813
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