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【生後3か月未満の発熱】赤ちゃんの38℃は必ず受診【夜間・解熱剤・119番】

生後3か月未満の発熱は必ず受診

お急ぎの方へ

  • 生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、元気そうに見えても、その日のうちに(夜なら夜間救急で)必ず医師に診てもらう
  • ぐったりして起きない、息が苦しそう、けいれん、顔色が青白いときは、迷わず119番
  • 解熱剤(カロナールなど)は、使う前に医師に相談し、診察のうえで指示どおりに使う

おはようございます。仙台空港北クリニック院長の蒲生俊一(医学博士 / 呼吸器専門医)です。

生後2か月の赤ちゃんの体が熱い。体温計は38℃をこえている。夜中だけれど、朝まで寝かせて様子を見てよいのだろうか。

初めての育児では、そんな不安でいっぱいになると思います。小さな赤ちゃんは、自分で症状を話せません。だからこそ、迷われるのは自然なことです。

結論から申し上げると、生後3か月(12週)未満の赤ちゃんが38.0℃以上の熱を出したら、元気そうでも、その日のうちに必ず医師に診てもらってください[1]。夜でも同じです。朝まで待つ選択肢はありません。

本記事では、受診が必要な理由、体温の正しい測り方、解熱剤の考え方、119番・夜間救急・#8000の線引き、受診のときに伝えることを、呼吸器専門医の立場から解説します。

その前に、日曜・祝日の発熱外来のご案内です。インフルエンザやコロナのPCR検査(ピーシーアール検査:ウイルスの遺伝子を増やして見つける検査)は、当日中に結果が分かります。

2026年10月4日から、日曜・祝日も発熱外来を行っています
10時〜15時(昼休みなし)。予約は不要で、当日チェックインで受け付けます。PCR検査は当日中に結果をお伝えします。日曜・祝日は発熱外来のみで、一般外来と点滴は行っていません。10月25日(日)は休診で、11月からは原則として毎週日曜日と祝日です。日曜・祝日の発熱外来のお知らせ

文責(この記事を書いた人)

蒲生 俊一(がもう しゅんいち)
仙台空港北クリニック 院長

地元、名取市立閖上小・中学校出身。東北大学医学部医学科を卒業後、仙台オープン病院、気仙沼市立病院、東北大学病院を経て、コロナ禍ただ中の2021年4月に仙台空港北クリニックを開院。「絶対に断らない発熱外来」をつらぬき通し、コロナ5類化までの2年間で2万名を優に超える発熱患者の診療にたずさわる。

所属学会・認定資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本アレルギー学会アレルギー専門医
日本抗加齢医学会専門医
医学博士(東北大学)

目次

【結論】生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、元気そうでも必ず受診が必要ですか?

はい、必要です。生後3か月(12週)未満で38.0℃以上のときは、すぐに小児科の医師へ連絡し、診てもらいます[1]。

英国のNICEガイドラインも、生後3か月未満で38℃以上の赤ちゃんは、重い病気の高リスク群だと位置づけています[2]。ざっくり、次の3つを守ればOKです。

  • 【いつ】
    日中なら、すぐ。夜間・休日なら、朝を待たず夜間救急へ[1]
  • 【どこへ】
    小児科のある医療機関。夜は夜間・休日の救急外来。行き先に迷うときは、先に電話で相談
  • 【その前に】
    自己判断で解熱剤を使わず、体温・時刻・哺乳の様子をメモして出かける

呼吸・意識・顔色のどれかがおかしいときは、相談をはさまず119番です。くわしくは、下の「受診を急ぐサイン」の章にまとめました。

生後3か月以上のお子さんの夜間・休日の発熱は、【夜間・日曜・祝日】子どもの発熱、朝まで待てる?すぐ受診?で解説しています。この記事は、3か月未満に絞った内容です。

なぜ、小さな赤ちゃんの熱はすぐ受診が必要なのですか?

小さな赤ちゃんの熱の陰に、重い細菌感染症(さいきんかんせんしょう:細菌が体の中で増える病気)が隠れていることがあるからです。

米国の26の救急外来で、生後60日以下の発熱の赤ちゃん1,821人を調べた研究があります[3]。この研究では、170人(9.3%)に重い細菌感染症がみつかりました[3]。内訳は次のとおりです[3]。

重い細菌感染症人数(1,821人中)割合
尿路感染症(にょうろかんせんしょう:おしっこの通り道に細菌が入る病気)151人8.3%
菌血症(きんけつしょう:血液の中に細菌が入りこむ状態)26人1.4%
細菌性髄膜炎(ずいまくえん:脳や脊髄を包む膜の感染症)10人0.5%

同じ赤ちゃんが2つ以上を併せ持つ場合もあり、合計は170人と一致しません[3]。

日本の報告もあります。日本の小児救急に入院した、生後90日未満の発熱の赤ちゃん275人では、45人が重い細菌感染症、32人が重いウイルス感染症でした[4]。ウイルスの内訳で最も多かったのは、RSウイルスの11人でした[4]。

つまり、細菌でもウイルスでも、重い病気が一定の割合で見つかります。RSウイルスで哺乳が落ちたときの見方は、【赤ちゃんの発熱】RSウイルスで哺乳量が落ちたらもご覧ください。

院長蒲生

見た目が元気でも、診察と検査をするのは、重い病気を見逃さないためです。「元気そうだから大丈夫」とは言えない月齢なので、ぜひ受診してください。

受診すると、どんなことをするの?

米国小児科学会(AAP)のガイドラインは、元気そうに見える生後8〜60日の発熱の赤ちゃんについて、評価と治療方針を示しています[5]。生後8〜21日、22〜28日、29〜60日の3つの年齢に分けた手順があります[5]。

NICEのガイドラインでは、生後3か月未満の発熱では、血液検査、血液培養(血液の中の細菌を調べる検査)、尿の検査などを行うとされています[2]。月齢や様子によっては、髄液(脳と脊髄を包む液)を調べる検査や、抗菌薬(こうきんやく:細菌を抑える薬)の点滴・注射が必要になります[2]。

抗菌薬は、必要なときに早く始めることが大切です。検査の組み立ては月齢で変わるので、診察した医師の説明にしたがってください。

熱はどうやって測ればよいですか?

デジタル体温計で測り、38.0℃以上かどうかを確かめます[1]。測る場所によって、正確さが違います。

測る場所小さな赤ちゃんでの位置づけ
おしり(直腸)AAPは「直腸で測るのが最も正確で、特に生後3か月未満の乳児に向く」としています[6]
わきの下AAPは「最も不正確だが、年齢を問わずスクリーニング(ふるい分け)には使える」としています[6]。NICEは、生後4週未満では、わきの下を電子体温計で測るよう勧めています[2]
おでこ(側頭動脈)子どもを対象とした研究のまとめでは、熱がある子を見つける力(感度)は72%でした[7]。とくに4歳以下で低く測れやすい傾向があり、直腸の代わりにはお勧めできないとされています[7]
耳AAPは、耳道がせまいため、生後6か月以上で使えるとしています[6]

なお、NICEは、0〜5歳の一般的な診療では、直腸や口で測ることを日常的には勧めていません[2]。このように、国や機関で方針が異なります。

おしりで測るときは、AAPの案内では、体温計の先と赤ちゃんのおしりにワセリンなどをぬり、ゆっくり入れます。抵抗があれば無理せず中止します[6]。やり方に自信がないときは、わきの下で測って、すぐに相談してください。

  • 38.0℃以上なら、測った場所と時刻をメモして、すぐに医療機関へ連絡する[1]
  • 体温計の数字が38.0℃に届かなくても、保護者の方が「熱っぽい」「いつもと違う」と感じたら、相談してください。NICEも、保護者の感じ方を真剣に受け止めるよう求めています[2]
  • 熱があるからと、厚着にしたり、毛布で包みすぎたりしない。NICEは、着せすぎも着せなさすぎも避けるよう勧めています[2]

「測り直したら下がるかも」と何度も測りなおして、時間を使う必要はありません。1回でも38.0℃以上であれば、受診の準備を始めてください。

受診の前に、解熱剤(カロナールなど)を使ってもよいですか?

生後3か月未満では、自己判断で使わず、先に医師へ連絡して指示を受けてください。

AAPの案内では、アセトアミノフェン(カロナールなどの解熱剤)は、2歳未満では医師の指導なしに使わないとされています[8]。さらに、生後12週までの発熱は重い感染症のサインのことがあり、医療機関で検査が必要だと書かれています[8]。

NICEは、解熱剤を使った子では、熱が下がったかどうかで重い病気かどうかを見分けないよう求めています[2]。熱が下がっても、安心の材料にはならないということです。

もちろん、解熱剤で熱を下げることはできます。診察のあとに、必要と判断すれば、赤ちゃんに合った薬と量を医師が指示します。量は、月齢と体重で変わるので「医師の指示どおりに」使ってください。

  • ご家庭に残っている解熱剤(兄や姉に処方された薬、座薬の余りなど)を、自己判断で使わない
  • 解熱剤を使ってしまったときは、薬の名前・量・時刻を、受診のときに必ず伝える
  • 予防接種のあとに熱が出た場合も、自己判断せず医師に相談する[8]

【受診を急ぐサイン】119番・夜間救急・#8000

生後3か月未満の38.0℃以上の発熱は、サインがなくても受診が必要です。ここでは、受診のなかでも「救急車を呼ぶ」「夜でもすぐ向かう」を分けるサインをまとめます。

すぐ119番

次のどれか1つでもあれば、熱の高さにかかわらず、迷わず119番に電話してください。夜間・休日でも同じです。

  • 呼びかけても起きない、起こしてもすぐに眠ってしまう[2]
  • けいれん(手足をつっぱる、ガクガクふるえる、白目をむく)が起きた
  • 息が苦しそう。うなるような声を出す、胸がペコペコへこむ、1分間の呼吸が60回をこえる[2]
  • 顔色が青白い、まだら、青紫色になっている[2]
  • 泣き声が弱々しい、高くて異様な声、泣きやまない[2]
  • 大泉門(だいせんもん:頭のてっぺんのやわらかい部分)がふくらんでいる、首がかたい、押しても消えない発疹がある[2]

上の項目は、NICEの「高リスク(赤)」の目安をもとにしています[2]。けいれんのときは、無理に口に物を入れず、顔を横に向けて、119番に連絡してください。

迷ったら#8000に相談

「救急車を呼ぶほどか、夜間救急へ行くのか」と迷うときは、宮城県のこども夜間安心コール(#8000)に電話できます。毎日午後7時から翌朝午前8時まで、看護師さんが対応します[9]。

#8000が使えない固定電話からは、022-212-9390にかけます[9]。ただし、この電話は助言のみで、診療は行いません[9]。「生後〇か月、体温38.0℃」と最初に伝えると、話がスムーズです。

相談は、受診をやめるための電話ではありません。生後3か月未満の発熱では、「相談のあと、どこへ行くか」を決めるために使ってください。

その日のうちに小児科のある医療機関へ(夜は夜間救急)

呼吸・意識・顔色が保たれていても、生後3か月未満で38.0℃以上のときは、次のように動いてください[1]。

  • 日中は、かかりつけの小児科や、小児科のある医療機関に電話をして、すぐ受診する
  • 夜間・休日は、朝を待たず、夜間・休日の救急外来へ向かう
  • 移動中も、赤ちゃんの呼吸と顔色をこまめに見守る
  • 途中で上の「119番」のサインが出たら、その場で119番に連絡する

「夜に熱が出る」ことの多い、3か月以上の子どもの見極めは、夜間・日曜・祝日の子どもの発熱の記事が参考になります。

受診のとき、医師に何を伝えればよいですか?

次のことをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。母子手帳もお持ちください。

  • 月齢(日齢)と、予定日より早く生まれたかどうか、生まれたときの様子
  • 体温:いちばん高かった値と、測った場所(おしり・わきの下など)、時刻
  • いつから熱があるか、どんなふうに上がってきたか
  • 哺乳の量(いつもの何割くらいか)、おしっこの回数、うんちの様子、吐いたか
  • 機嫌・眠り方(泣き方、起きにくさ、ぐったり感)と、呼吸の様子、咳や鼻水
  • 家族の様子:きょうだいや家族の発熱・咳・下痢、保育園などでの流行
  • 予防接種を受けた日、解熱剤を使った場合は薬の名前・量・時刻

AAPのガイドラインが対象にしているのは、元気そうに見える正期産(予定日どおり生まれた)の赤ちゃんで、除外される場合も定められています[5]。早産や持病がある赤ちゃんは、手順が変わりうるので、必ず伝えてください。

月齢と、いつから熱があるか、哺乳の量は、ご家族にしか分からない大切な情報です。ぜひ教えてください。

よくある質問(FAQ)

生後2か月の赤ちゃんの熱が37.8℃でした。受診したほうがいいですか?

AAPの基準は38.0℃以上です[1]。ただし、37.8℃でも、触って熱い、哺乳が落ちた、いつもと違うと感じるなら、受診してください。体温は測り直し、時刻とあわせて医師に伝えてください。NICEも、保護者の「熱っぽい」という感覚を真剣に受け止めるよう求めています[2]。

夜中に熱が出ました。朝まで待ってもよいですか?

待たずに、夜間・休日の救急外来へ向かってください。生後3か月未満の38.0℃以上の発熱は、夜でも、その日のうちに医師の診察が必要です[1]。行き先に迷うときは、#8000(毎日午後7時から翌朝午前8時)に相談できます[9]。ぐったりして起きない、息が苦しそう、けいれんがあるときは119番です。

熱が自然に下がって、元気そうに見えます。それでも受診が必要ですか?

はい、受診してください。生後3か月未満で38.0℃以上の熱が出たときは、元気そうに見えても医師に診てもらうのが基本です[1]。解熱剤を使って下がった場合も、熱が下がったことで重い病気かどうかは判断できません[2]。

解熱剤を使ってから受診してもよいですか?

先に医師へ連絡して、指示を受けてください。AAPの案内では、アセトアミノフェンは2歳未満では医師の指導なしに使わないとされています[8]。診察のあとに必要と判断されれば、赤ちゃんに合った量を医師が指示しますので、その指示どおりに使ってください。

予防接種のあとに熱が出ました。様子を見てもよいですか?

予防接種のあとに熱が出ることはあります[8]。ただ、生後3か月未満の38.0℃以上の熱は、接種後でも自己判断せず、医師に相談してください。接種した日と、ワクチンの種類も伝えてください。

まとめ【生後3か月未満の発熱は、元気そうでも必ず受診を】

  • 生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、元気そうに見えても、その日のうちに(夜なら夜間救急で)必ず医師に診てもらう
  • ぐったりして起きない、息が苦しそう、けいれん、顔色が青白いときは、迷わず119番
  • 解熱剤(カロナールなど)は、使う前に医師に相談し、診察のうえで指示どおりに使う
  • 熱はデジタル体温計で測り、38.0℃以上なら、測った場所と時刻をメモしてすぐ連絡する[1]
  • 夜間の行き先に迷ったら、#8000(毎日午後7時から翌朝午前8時)に相談する[9]

小さな赤ちゃんの「なんだか変」に最初に気づけるのは、いつもそばにいる保護者の方です。夜中でも、迷ったときは受診してください。その気づきを、どうぞそのまま医師に伝えてください。医療は私達におまかせください。

以上

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、医師による診察・診断・治療に代わるものではありません。記載内容は公開時点の医学的知見に基づいていますが、お一人おひとりの状態によって適切な対応は異なります。症状にご不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考文献

  1. American Academy of Pediatrics. Fever Without Fear: Information for Parents. HealthyChildren.org. 参照 2026年10月. https://www.healthychildren.org/English/health-issues/conditions/fever/Pages/Fever-Without-Fear.aspx
  2. National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Fever in under 5s: assessment and initial management (NG143). NICE ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.nice.org.uk/guidance/ng143/chapter/Recommendations
  3. Kuppermann N, Dayan PS, Levine DA, Vitale M, Tzimenatos L, Tunik MG, et al. A Clinical Prediction Rule to Identify Febrile Infants 60 Days and Younger at Low Risk for Serious Bacterial Infections. JAMA Pediatr. 2019 Apr;173(4):342-351. doi:10.1001/jamapediatrics.2018.5501 PMID: 30776077
  4. Hayakawa I, Nomura O, Uda K, Funakoshi Y, Sakakibara H, Horikoshi Y. Incidence and aetiology of serious viral infections in young febrile infants. J Paediatr Child Health. 2020 Apr;56(4):586-589. doi:10.1111/jpc.14692 PMID: 31729791
  5. Pantell RH, Roberts KB, Adams WG, Dreyer BP, Kuppermann N, O’Leary ST, et al. Evaluation and Management of Well-Appearing Febrile Infants 8 to 60 Days Old. Pediatrics. 2021 Aug;148(2):e2021052228. doi:10.1542/peds.2021-052228 PMID: 34281996
  6. American Academy of Pediatrics. How to Take Your Child’s Temperature. HealthyChildren.org. 参照 2026年10月. https://www.healthychildren.org/English/health-issues/conditions/fever/Pages/How-to-Take-a-Childs-Temperature.aspx
  7. Kiekkas P, Aretha D, Almpani E, Stefanopoulos N. Temporal Artery Thermometry in Pediatric Patients: Systematic Review and Meta-Analysis. J Pediatr Nurs. 2019 May-Jun;46:89-99. doi:10.1016/j.pedn.2019.03.004 PMID: 30865876
  8. American Academy of Pediatrics. Acetaminophen Dosing Tables for Fever and Pain in Children. HealthyChildren.org. 参照 2026年10月. https://www.healthychildren.org/English/safety-prevention/at-home/medication-safety/Pages/Acetaminophen-for-Fever-and-Pain.aspx
  9. 宮城県. 宮城県こども夜間安心コール事業(#8000). 宮城県ウェブサイト. 参照 2026年10月. https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/iryou/shouni04.html

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